2006年4月
■2006年4月24日(第729号)
- つくる農家ふやし販路を確保しよう/“愛国心”を子どもに押し付けるな
- 家族農業者の9割を農業から締め出し、日本農業をつぶす政府の「品目横断的経営安定対策」にたいし、農家と消費者らが共同して、もう一つの流れを作ろうと取り組みを始めています。「ものを作る人を増やし、販路を確保しよう」とがんばっている、福岡県築上(ちくじょう)町の京築(けいちく)農民組合の取り組みを紹介します。
- 税金相談会へ参加 会員や読者に
- 農民連は、1月に開いた全国委員会で、会員1000人、新聞「農民」の読者2000人の拡大をめざす「仲間づくり春の大運動」(1〜3月)を提起。全国各地で、税金相談会やものづくり・産直などの要求を通じて、会員と読者拡大が取り組まれました。
- 高齢化した農村地域の年金者に呼びかけて/憲法改悪狙う危険な投票法案
- 岡山農民連(会長・坪井貞夫氏)は4月6、7の両日、消費税申告も含めて3月末まで取り組んできた税金申告運動の反省会を開きました。実務指導を行ってきた税対部員を中心に10人が参加。各地の様子や教訓を話し合いました。
- 農業の現状と運動
- 植民地時代の大土地所有制が色濃く残るフィリピンの農業。米、ココナツ、トウモロコシ、サトウキビ、バナナなどが主な農産物です。貿易自由化を信奉する政府の政策によって、海外からの安い輸入農産物が国内市場に大量に流入。国内の農業、農民は危機的な状態に陥っています。
- 農のこころ
- 春の土呼吸はじめり種宿す
- “GMイネいらない”/“これはだめだ”の声広く
- 「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は4月8日、都内で「こんなものいらない! 遺伝子組み換えイネ」の学習会
を開きました。遺伝子組み換え(GM)作物に反対する国際反GMOデーの一環として、日本で取り組まれたもの。
- 本の紹介/天笠啓祐著「遺伝子組み換え作物はいらない!」
- 遺伝子組み換え(GM)作物の栽培面積が、年々世界で広がっています。GM栽培による種子の交雑や混入の実態も、農民連食品分析センターや市民団体などの献身的な調査によって確認されています。GMに汚染された作物が食品となって、食卓に出回ることが懸念されています。
- 異常気象と食料生産 −農業のはなし》15《
- 天からの手紙とも呼ばれる雪は、軽い物の代表のように風に舞って降ってきます。降った直後の雪は、1立方センチメートルが0.03グラム(北海道)から0.1グラム(本州)の間で、確かに吹けば飛ぶほどの軽さです。でも、積雪が50〜100センチメートルとなると下の方は、雪の結晶がつぶされ、また一部融けたりして密になって重くなります。測定によると、1平方メートル当たりの積雪重圧は、積雪深50センチメートルで150キログラム、100センチメートルで350キログラム、150センチメートルで570キログラム、200センチメートルでは825キログラムに達します。多雪地で家がつぶれるのは、この雪の重さのためです。天から降る雪は軽くても積雪は重いのです。
- 教育基本法を語る〈下〉
- 日本の子どもたちは、国際的な比較で、際立った特徴を持っています。一つは、幸せ感が薄いということです。それに比べてたとえば、中国の子どもは、一人っ子政策もあるが、幸せ感いっぱいなんです。
- 旬の味
- 中国の詩に「年年歳歳花相似たり」という句があるが農民に言わせればそうでもない。「百姓は毎年一年生」といわれるのは、毎年同じようにのん気に作っていたらいいものはできないから。自然条件も人為的条件も違う、平たく言えば「農業には敵が多い」
■2006年4月17日(第728号)
- 教育基本法を語る〈上〉
- 政府・与党が教育基本法「改正」案の国会提出をもくろむなど、情勢が緊迫しています。教育家で「子どもの権利・教育・文化全国センター」代表委員の三上満さんに、教育基本法の精神と、子どもをとりまく状況について聞きました。
- 教育基本法改悪やめよ
- 教育基本法の59回目の誕生日となる3月31日、「教育基本法改悪反対」の声が、国会周辺に響き渡りました。
- 品目横断対策は農家減らし
- 日本の食料基地、北海道が大きく揺れています。震源は、規模の大小で農家を選別する「品目横断的経営安定対策」。要件を満たさない農家は、助成金や交付金の対象から外され、農業をやめざるをえない事態に追い込まれるからです。
- 旧市町村ごとにバラバラ 岩見沢
- 北海道の米どころ、岩見沢市では、「品目横断対策」の面積要件の緩和に関する「特例ガイドライン」(案)が大問題になっています。
- 農業の現状と運動
- 世界最大の米輸出国、タイ。農産物貿易の自由化が自国の利益に結びつくと信じる政府は、1995年、WTO農業協定にサインし、米、大豆、砂糖など23品目の農産物の市場を開放。輸入割当方式によって国内消費量の3%の輸入が義務付けられるとともに、10年間で平均24%の関税削減目標が設定されました。
- 農のこころ
- 種物の蒔く日の決まる独り言
- GMナタネ自生調査/申し込みの電話・はがき全国から
- 農民連食品分析センターは現在、遺伝子組み換え(GM)ナタネ自生調査への参加を呼びかけています。分析センターの八田純人主任と泉潤研究員の2人は3月21、31の両日、千葉県の千葉港と茨城県の鹿島港に自ら調査に出かけ、検査を実施しました。
- アイガモ農法の田と
米の集荷・販売会社を見学
- 千葉県連青年部は3月24〜25日、茨城県で、第13回総会と視察・学習交流会を開きました。1日目は、河内町の直販センター「ふるさとかわち」を視察し、北茨城市で総会を開催。2日目は同市の鈴木孝夫さんの田んぼなどを見学。茨城県連青年部と農業研修生も参加しました。
- 異常気象と食料生産 −農業のはなし》14《
- 43年前の1963年(昭和38年)1月に北陸、山陰を中心にして日本海沿岸に大雪が降り、死者は231人に達し、交通は寸断され日常生活が混乱しました。気象庁は、これを「昭和38年1月豪雪」と命名し、その原因の研究を始めました。これ以降、豪雪という名称が一般化したようです。気象事典には、警報の出るような大雪が豪雪であるとあり、厳密な定義はないようです。昨年12月から始まった大雪は、過去の積雪記録を多くの地点で塗りかえ、民生、農林業に大きな被害を与えました。そこで気象庁は今冬の大雪を「平成18年豪雪」と命名しました。
- この人
- 岩国市の住民投票 「反対に○をする会」事務局長(農民連の会員) 登尾(のぼりお) 俊明さん(55)
- 産地発 梅クッキング
- 定番のポテトサラダを梅マヨネーズで仕上げます。梅マヨネーズは、梅びしお(作り方は719号を参照)とマヨネーズを1対1の割合で混ぜてつくります。梅びしおのかわりに梅肉でつくることもできます。
- 田植え
- 宮崎では「早期水稲」の田植えが終盤をむかえています。4月1日には、組合員の日高信義さんが田植えをしました。
- 旬の味
- 「人と人との触れ合いが失われた今、人々はクラッシュ(衝突)することで人とのつながりを模索する」。アカデミー賞作品賞を受賞した映画『クラッシュ』の冒頭に確かこんなせりふがあった
■2006年4月10日(第727号)
- 糖分が多いスポーツドリンク イオン飲料
- 「スポーツドリンクは糖分が多いって本当?」という質問が、読者から寄せられました。インターネットなどで調べてみると、炭酸飲料よりは少ないようだけれど、それでもかなり多そう。さっそく農民連食品分析センターで調べてもらうとともに、保健師さんに話を聞きました。
- 国会 重要法案審議で緊迫/品目横断対策中止など地方議会が相次ぎ意見書
- 重要法案の国会審議への動きが加速するもとで、各団体で構成する「軍事費を削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会は3月29日、国会内外での集会や議員要請に取り組みました。国会前の集会には、400人が集まり、悪法阻止の声をあげました。
- 福岡で重税反対 自主申告で決起/消費税学習会開く
- 福岡・みのう農民組合は3月10日、久留米市で「重税反対・集団申告決起集会」を福岡県建設労働組合久留米・浮羽支部、年金組合と共催でおこない、600人が参加。
- 食品分析センター募金者氏名(敬称略)
- ありがとうございました
- 山形・旧藤島町の「農業実践者の会」 横浜の保育園訪問し交流
- 庄内農民センターに昨年、団体加盟した旧藤島町の「人と環境に優しい農業実践者の会」(鈴木紀夫会長以下11人)は、このほど横浜市を訪れ、「藤島型特別栽培米」を供給し始めた保育園関係者と交流しました。
- 農のこころ
- 一枚の空を震わせ春田打つ
- 農業の現状と運動
- 総人口2億3千万人、全就業者の半数以上が農業に従事しているインドネシア。米、ココナッツ、カカオなどを生産する農業大国です。しかし、今ではWTO、世界銀行などが推進する新自由主義によって、世界有数の食料輸入国です。
- 「農業技術と食の安全」で生消研がシンポジウム
- 食糧の生産と消費を結ぶ研究会(生消研)は、3月17、18の両日、茨城県つくば市で、「農業技術開発の現状と食の安全・安心」をテーマにシンポジウムを開催。各地の産直組織生産者や生協組合員、研究者など63人が参加しました。
- ポジティブリスト制の学習会好評/ものづくりと食文化の伝承を
- 奈良県農民連は3月中旬から4月上旬にかけて、「残留農薬ポジティブリスト制とその対策」について、県内8カ所で勉強会の開催をすすめています。これまでの勉強会には、組合員をはじめ、非組合員の農家も含め約70人が参加。
- 地方から亡国農政へ反旗・のろしを
- 4月16日投開票の弘前市長選挙に市民団体「市民が主人公のみんなの会」から立候補します。
- 旅立ちの春 農の未来に若い夢かけて/リンゴ農家で懸命な技術修得/“早く仕事を覚えたい”/卒論は「実家の畑の土研究」/解決にはほど遠い後継者難
- 春―旅立ちの季節です。農業にかける青年たちの姿を追いかけました。
- この人/茨城・鯉渕学園の一年生 村澤 理(さとし)さん(19)
- 「将来は農業にかかわる仕事に就きたい」と目を輝かせます。茨城県の農業栄養専門学校、鯉渕学園の1年生。今年の春休みを利用して、北茨城市の鈴木孝夫さんが経営する「すずき産地」に農業研修を頼み込みました。昨年の夏に同校の先輩から話を聞いたことがきっかけ。行動派で礼儀正しい好青年です。
- 読者からのお便り
- 16年間つづけた産直の魅力は…/ていねいに応対 検疫所の課長さん/うまいアスパラ都会の人たちに/いわむらかずおさん応援します
- 生きる/北村サッカー落雷事件
- ぼくは北村光寿
- 今治市(愛媛)が地産地消宣言
- 愛媛県今治市は「市民に安定して安全な食料を供給するため、農林水産業を市の基幹的産業に位置づけ、地域の食料自給率向上をはかる…」との宣言を、昨年12月にあげました。今、この宣言にもとづく条例制定の準備が進められています。
- 本の紹介/村田知章著「『化学物質過敏症』お悩み事情」
- 茨城・県西農民センターの村田知章さん(31)が、「『化学物質過敏症』お悩み事情」という本を出版しました。
- 異常気象と食糧生産 》13《 ―農業のはなし―
- 凶作というと日本ではすぐ冷害を思い起こします。たしかに17世紀初めの寛永・元禄の凶作から19世紀半ばの天明・天保の大凶作まで、冷夏による大凶作は人々と徳川幕府に大きな打撃を与えました。これは世界的な低温期―小氷期(16〜19世紀)の事件でした。
- 農民連が「手ぬぐい」作成
- 農民連は、5月21〜27日のビア・カンペシーナ東南・東アジア地域会議に向けて、新たな「手ぬぐい」を作成しました。昨年の香港行動で女性部が準備したものと同様に、茨城県の久保田紀子さんの絵手紙がカラフルにプリントされています。1本千円で、売り上げは会議の成功のために使われます。
- “曲水の宴”
- 福岡・太宰府天満宮の庭で、毎年3月の第1日曜に「曲水の宴」がおこなわれます(今年は3月5日)。清水の流れる水路のそばに座り、流れてくる盃(さかずき)が自分の前を通り過ぎないうちに一首を詠むという、まことに優雅な催し。毎年、名のある方々が招待され、男性は衣冠姿、女性は十二単衣(ひとえ)姿で着飾り、平安時代そのままです。菅原道真を慕って一夜で都から飛んできたといわれている『飛梅』も満開で、まさに豪華絢爛(けんらん)たる平安絵巻でした。
- 春を呼ぶはな
- ミズバショウ/カタクリ
- 産地発 梅クッキング
- 梅風味のさっぱり味の梅ドレッシングは、とくに魚介類とよく合います。サラダばかりでなく、マリネやソテー、フライのソースにもぴったり。酸味が苦手な方は、砂糖をほんの少し隠し味に入れてください。
- 旬の味
- 私たちの町でも「重税反対」の統一行動が3月13日に行われ、200人以上が参加した
■2006年4月3日(第726号)
- 黙っていては重税に
- 今年は3年に一度、固定資産税の評価額が評価替えになる年。4月1日から固定資産税台帳の縦覧が始まります。農民連は3月23日、“固定資産税引き下げのチャンス!”と、「固定資産税を軽減させる取り組み全国交流会」を開催。全国から35人が参加して熱心に経験を交流し、「土地や家屋の新しい評価額を確かめ、農民連の豊かな取り組みを全国に発信して重税をはねかえそう」と、誓い合いました。
- 今年の会議 日本で開催
- 「アジアの農民の力を結集しよう」「農業と食料からWTOを追い出そう」――。今年のビア・カンペシーナ東南・東アジア地域会議の開催地に選ばれたのは、なんと日本。5月21〜27日、アジアの農民運動指導者が来日します。
- 自衛隊は全面撤退を
- アメリカ・イギリスが始めたイラク戦争から3年を迎えた3月19日、全国で「イラクに平和を」「自衛隊はイラクから撤退せよ」のアピール集会やパレードが取り組まれました。
- ベネズエラ代表団が農民連訪問
- 日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(日本AALA)の招きで来日したベネズエラ国際連帯委員会の代表団、フェリーぺ・フィゲロアさん(58)とジョニ・ニーニョさん(57)が3月17日、農民連本部を訪問。佐々木健三会長や真嶋良孝副会長(国際部長)、笹渡義夫事務局長らと懇談しました。
- 訪米調査した日本共産党参院議員 紙智子さんに聞く
- ―訪米調査では、アメリカ農務省とも会談したそうですね。
- 農のこころ
- 豆を煮る匂ひ二階へ味噌仕込む
- 農業の現状と運動
- 今年のビア・カンペシーナ東南・東アジア地域会議に韓国、インドネシア、タイ、東ティモール、フィリピン、ベトナム、マレーシアの7カ国から農民運動組織の指導者が来日します。このシリーズでは、昨年のWTO香港行動で発行されたビア・カンペシーナの小冊子「東南・東アジアにおけるWTOの影響」から、各国の農民の状況と運動を紹介します。
- 最低限の生活保障確立せよ/安全性に信用できるか米国牛肉
- 全労連・全国一般労働組合東京地方本部は3月16日、都内で2006年春闘勝利のための統一行動に取り組みました。農民連も行動に参加しました。
- 異常気象と食料生産》12《 −農業のはなし
- 水田を例にして、農地の水のやりとり(収支)を表すと図1のようになります。よく茂った水田では、1日に5〜6ミリメートルの水が葉面 からの蒸散と水面からの蒸発によって失われます。また、耕土層や水尻から水が失われています。これを補うのは水口からの灌(かん)水と雨。灌水も元を正せば上流に降った雨ですから、農地の作物の生長と収量 は天からのもらい水に頼っていることになります。
- 残留農薬を独自検査
- 埼玉県の産直団体、埼玉県産直協同は、産直野菜の残留農薬を独自に検査し、安全性をアピールする取り組みを2年前から行っています。残留農薬を厳しく規制するポジティブリスト制が5月から施行されるのに対応し、農家が安心して野菜を提供できることをめざします。
- フーデックス・ジャパン2006/野菜部総会で栽培方法研修
- 国内や世界の食品・飲料品を展示する「フーデックス・ジャパン2006」が3月14日から17日まで、千葉・幕張メッセで開かれました。
- 旬の味
- 三寒四温の日が続く村や街に、のどかな獅子舞の笛太鼓が響きわたれば、雪深い会津にも春がくる。いまは果樹のせん定や野菜の育苗に忙しい
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