この人
岩国市の住民投票 「反対に○をする会」
事務局長(農民連の会員)
登尾(のぼりお) 俊明さん(55)
自分たちの思い示せてよかった
日米両政府は、神奈川・厚木基地にある米空母艦載機を山口・岩国基地に移転しようと計画していますが、岩国市ではその賛否を問う住民投票が、三月十二日おこなわれ、岩国市民はきっぱりと、「NO!」の審判を突きつけ、大きな勝利を勝ち取りました。
その中心になって奮闘したのが、労働組合や民主団体、市民などでつくる「艦載機受け入れ反対に○(まる)をする会」。その事務局長、登尾俊明さん(55)は、なんと農民連の会員です。
「農業では、安全でおいしいものをつくり、食べて喜んでもらえる幸せを追求したい。それに自然相手の仕事が性に合っているので、これから情報を集めたり勉強してボチボチやっていきます」。勤めながら一町一反の水田で米作りをしている登尾さんの思いです。登尾さんに「会」の取り組みや今後の抱負を聞きました。
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「反対に○をする会」は、ポスターやビラ、ハンドマイクなどあらゆる宣伝を精一杯やりました。そのなかには、漫画ビラや青年ビラなど創意あふれるものもたくさんあり、投票を呼びかける歌も歌いました。「住民投票に反対する会」がつくられ、ボイコットを呼びかける妨害もありましたが、コンビニの店長が「投票に行きましょう」のアピールを店内に張り出したり、奥さんたちは自転車の買い物かごにミニポスターを張って、市内を走り回るなど、たくさんのドラマが生まれました。全国からも多くの支援をいただき、ありがとうございました。
住民投票が終わって、「よかったね」があいさつがわりになり、こちらがお礼を言おうとすると「ありがとう」と先に言われます。「自分たちの思いを示すことができて本当によかった」という気持ちが伝わってきます。
「反対に○をする会」は、移転反対の一点で幅広い運動を進めるため、「米空母艦載機受け入れに反対する会」に改組しました。市民は、意識の上で大きな発展を遂げたと思います。この経験を生かして、基地強化の押し付けを撤回させるまで、市民と一緒に運動を広げていきます。
(新聞「農民」2006.4.17付)
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