安全な食料を安定供給へ今治市(愛媛)が地産地消宣言地域の自給率向上を図る
農協、農民連、地域住民が協力具体化向け条例案も作成愛媛県今治市は「市民に安定して安全な食料を供給するため、農林水産業を市の基幹的産業に位置づけ、地域の食料自給率向上をはかる…」との宣言を、昨年十二月にあげました。今、この宣言にもとづく条例制定の準備が進められています。運動の母体は、今治市農業農政対策協議会(対策協)。市内の二つの農協(越智今治農協、今治立花農協)と農民連今治地区協議会、安全な食べ物の生産と健康な生活をすすめる会などが参加しています。 対策協が作成し、現在、市当局で検討されている条例素案は、(1)安定した「農林水産業の振興」と「安全な農産物の生産」(2)地産地消と食育の推進が二本柱。学校給食などへの供給、多様な担い手・新規就農者支援、“過疎”中山間地対策、都市的農業の振興と農地課税の適正化、土づくりと有機農産物などとなっています。 今治市は昨年一月、タオルや造船に代表される工業都市の旧今治市と広大な農山村、島しょ部の十一町村が合併しました。対策協は、この合併による市長選を前に候補者を集めて公開公聴会を開き、七百五十人を集めて成功させたことがきっかけで発足。以後、新市長、市議会への要請、研修会の開催や幹事会などを重ねてきました。 今年二月には、宣言の内容や制定をめざす条例の意義、協議会の活動を伝えるカラーチラシ三万枚を作成。市内の全農家に配布しました。 宣言や条例の意義は、合併によって失効した旧市町村の農林水産業振興施策を復活、発展させるというところにあります。例えば、旧今治市で好評だった「農業講座」は百人以上の就農者を育て、この人たちが今、学校給食用の野菜づくりに励んでいます。また、麦作について十アール当たり二万円補助する制度や、百二十トン供給していた学校給食米への支援(六十キロ当たり千七百円)などもありました。こうした施策が地域農業の発展にとってどうしても必要です。 農民連と農協、地域住民との共同の広がりは、新たな可能性を生み出しています。さらに共同を強めて、地域から食と農を守る運動を発展させたいと思っています。 (愛媛県農民連 岡田厚美)
(新聞「農民」2006.4.10付)
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[2006年4月]
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