「農民」記事データベース20060403-726-01

固定資産税評価替えの年

黙っていては重税に

軽減させるチャンス!

関連/(別項)

 今年は三年に一度、固定資産税の評価額が評価替えになる年。4月1日から固定資産税台帳の縦覧が始まります。農民連は3月23日、“固定資産税引き下げのチャンス!”と、「固定資産税を軽減させる取り組み全国交流会」を開催。全国から35人が参加して熱心に経験を交流し、「土地や家屋の新しい評価額を確かめ、農民連の豊かな取り組みを全国に発信して重税をはねかえそう」と、誓い合いました。


農民連 運動の成果・経験を交流

 適正な課税でとりもどそう

 固定資産税対策部の山口和男部長が、今国会にかけられた地方税法の改悪案がいかに増税を押し付けるものか、農業用施設用地がどう評価され造成費はいくらと見なされているのかなど、今年の評価替えにあたっての留意点について報告。石黒昌孝事務局次長が、三年に一度しかできない、税金を取り戻すための注意点を述べました。(別項)

 各地からは、「地域農業の振興にとって固定資産税の重税が障害になっている」(愛媛)ことや、「市町村合併で政令指定都市になり宅地並み課税で納税額が倍以上になった」(静岡)、「三大都市圏の特定市でなくとも市街化区域農地を生産緑地指定にさせた」(和歌山)、「堆(たい)肥舎を家屋ではなく償却資産扱いに認めさせた」(群馬)、「擁壁費を含む高い造成費を引き下げさせた」(茨城)など、実践的な報告が相次ぎ、「確定申告は各種控除の廃止などで増税になり、消費税も納税しなければならない農家が増えている。今度の固定資産税では、農家に呼びかけしっかりと評価額を点検したい」と、活発な討論になりました。

 最後に、固定資産税対策部の斉藤敏之さんが、「堆肥場用地を農地並みに評価させて九万円を百七十円に引き下げたなど、これまで農民連が勝ち取ってきた数々の実例を広く農家に知らせることが大事。そして、運動を前進させているところでは、かならず縦覧や審査申し出、文書による照会・回答などに取り組んでいる。三年に一度のチャンスを大いに生かして重税をはねかえし、組織の拡大につなげよう」と、呼びかけました。

※当日配布した資料がほしい方は、農民連本部までご連絡ください。


(別項)

〈市町村で課税台帳の写しをもらいましょう〉
 4月1日から固定資産税台帳の縦覧が始まり、自分の土地や家屋の新しい評価額を見ることができます。そのとき前回と今回の課税明細書の写しを請求しましょう。
〈新しい評価額は、納得できますか〉
  地価が下がっているのに、評価額が据え置きや高くなっていませんか。
〈記載事項に間違いはありませんか〉
 壊した建物がそのままになっているとか、家屋の評価額が下がっていないなど役所の単純なミスによる記載内容の間違いはありませんか。
〈農業用施設用地は、農地並み評価になっていますか〉
 農用地区域、市街化調整区域、生産緑地内の農機具小屋、作業所、農業用倉庫、畜舎、堆肥舎などは、農業用施設用地のため、その土地はすべて農地並み課税が基本です。評価額は、農地評価に造成費を加えて算出します。
 農業用施設用地が、農地並みに評価されていますか。造成費は不当に高くありませんか。
〈堆肥舎・畜舎は、家屋ではなく償却資産です〉
 通達では「鶏舎、豚舎などの畜舎・堆肥舎等は、社会通念上家屋とは認められない」としています。最近これらの建物が補助事業などから、家屋として評価されるケースが増えています。きちんと確認しましょう。
〈宅地の評価は正しく行われていますか〉
 小規模住宅用地は200平方メートルまで、評価額の6分の1、それ以上は3分の1です。2世帯では400平方メートルまで6分の1になります。
〈課税台帳に疑問や不満があったら、まず不服審査請求をしましょう〉
 課税台帳を検討し少しでも疑問や不満があったら、納税通知書が届いた日から60日以内に「不服審査」の申し出を行いましょう。この申し出をした者は、疑問点などを首長に対して書面回答を求めることができます。
この「照会」は、何回でもできます。重税攻撃が激しさを増すなか、納税者の権利を積極的に行使しましょう。

(新聞「農民」2006.4.3付)
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2006年4月

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