品目横断対策の特例基準旧市町村ごとにバラバラ 岩見沢不公平感が農民の怒りかう
北海道の米どころ、岩見沢市では、「品目横断対策」の面積要件の緩和に関する「特例ガイドライン」(案)が大問題になっています。 「経営所得安定対策等大綱」では、「品目横断対策」の面積要件を「基本原則の概ね八割の範囲内で緩和可能」と、あたかも都道府県知事の申請で緩和できる書きぶりでした。ところが農水省は昨年十一月、「ガイドライン」(案)を作成し、これを事前にしばる方針を打ち出したのです。 「ガイドライン」の最大の問題は、唐突に集落の規模を政策の基準として持ち出したこと。集落のとり方は市町村でまちまちで、そのことは農水省自身も「市町村長と統計センター長が協議して決める。実態と違うこともあると聞いている」(経営政策課)と認めています。“場当たり的”とのそしりはまぬがれません。 これによって、今年三月に北村と栗沢町が合併した岩見沢市は旧市町村ごとに基準面積がバラバラという矛盾を抱え込みました(表)。同市で十三ヘクタールの水田を耕作する白石淳一さん(北海道農民連委員長)は「不公平感は、それでなくても現場との矛盾が多い『品目横断対策』への農民の怒りに火に油を注ぐ」と言います。 二〇〇〇年センサスによる岩見沢市の集落数は二十三。しかし、「実態として集落的な機能を有する農事組合は現在でも、その三倍の六十九ある」と白石さん。仮にこの数字で計算し直せば、基準面積は七・二ヘクタールになり、相当数の農家が新たに対象になるはずです。
こうした事情から、岩見沢市の渡辺孝一市長も道庁農政部に直談判。しかし道庁は「品目横断対策は担い手を絞り込むことが目的」として受け入れなかったそうです。 白石さんは「北海道のとくに稲作地帯では特例で対象を広げたい自治体が多い。まずは現場の実態との矛盾を解決すること。そして、そもそもの矛盾である、農家を選別する『品目横断対策』の中止を求めていきたい」と語っています。
(新聞「農民」2006.4.17付)
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[2006年4月]
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