「農民」記事データベース20060403-726-12

旬の味


 三寒四温の日が続く村や街に、のどかな獅子舞の笛太鼓が響きわたれば、雪深い会津にも春がくる。いまは果樹のせん定や野菜の育苗に忙しい▼昨冬、村で「集落営農」の説明会が開かれた。“予算に限りがあるので、この事業の恩恵に浴するのは早い者勝ち”“まず手をあげ、内容の詳細はその後に”と、補助金の額を示してたぶらかそうとした。農民連の会員が新聞「農民」の記事をもとに、「集落農業の法人化は、参加農家の生活を保障するのか」と聞くと、応答に窮した▼三十年前、農業構造改善事業の名で「規模拡大」が言いはやされた。畜産であれ果樹であれ、それに乗った「先進的」農家の大方は苦闘の末に村から消えた。しかし、そのすべては「自己責任」とされ、おだてた役人の誰一人見向きもしなかった▼今度は村ぐるみ、一時の補助金でだませると農民をなめてはいけない。この冬、村の二人の若い後継者が農民連の仲間になった。いずれも認定農家である。農民として生きるという自覚がその動機であると、二人は語る。

(新)

(新聞「農民」2006.4.3付)
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2006年4月

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