食品分析センターGMナタネ自生調査千葉港・鹿島港で検査
千葉の4検体からGM検出農民連食品分析センターは現在、遺伝子組み換え(GM)ナタネ自生調査への参加を呼びかけています。分析センターの八田純人主任と泉潤研究員の二人は三月二十一、三十一の両日、千葉県の千葉港と茨城県の鹿島港に自ら調査に出かけ、検査を実施しました。二人は、簡易試験用キット、地図、ポリ袋などを車に詰め込んで、東京都板橋区の分析センターを朝に出発。目的地に行くまでの道路脇にも、各所にナタネが自生。これらを採取しながら向かいます。港が近づくにつれて、配合飼料運搬用トラックが頻繁に通過していきます。急なカーブや振動により、トラックからナタネがこぼれ落ちる可能性は十分にあります。 いよいよ港周辺に。千葉では港と搾油工場が離れた距離にあり、鹿島は隣接していました。搾油工場や飼料会社が建ち並ぶ道路脇や中央分離帯などにナタネの自生を見ることができます。調査の対象にするのは、セイヨウナタネ。同じアブラナ科の在来ナタネやダイコン、カブの仲間、セイヨウカラシナも目につきます。葉の形などで見分けながら手袋をはめて一本一本ていねいに抜き取っていきます。昨年、GMが確認された千葉では七検体、全国で最初にGMが検出された鹿島では、あちこちにアブラナ科の植物が生えているなか、三十検体採取しました。 鹿島では、その場で簡易検査を実施。採取した葉をちぎってチューブに入れ、すりつぶして、蒸留水を注ぎます。試験紙をチューブに差し込み、五分ほど待ちます。チューブ内の液が試験紙に染みていき、赤い線がでてきます。赤い線が二本出ればGM、一本だけなら、非GMです。 鹿島では、GMが検出されませんでしたが、持ち帰って検査した千葉の七検体のうち、四検体がGMでした。内訳は、除草剤バスタに耐性をもつものが二、ラウンドアップに耐性をもつものが二でした。 検査結果について、泉さんは「千葉で検体数が少なかったのは、市民団体による抜き取りが事前に行われ、運動の成果がでているのかもしれません。千葉でGMが検出され、鹿島で出なかったのは、港と搾油工場との距離に関係がある可能性があります」と分析します。
申し込みの電話・はがき全国から今回、全国から「調査に参加します。分析センターの呼びかけに期待と感謝しています」など電話やはがきでの申し込みが寄せられています。八田さんは「港周辺に限らず、農村にもGMナタネが自生している可能性が十分にあります。自分の手で身の周りのナタネを調査して、この問題に関心をもって下さい」と参加を呼びかけています。申込方法は、電話、ファクス、郵便またはEメールで。六月上旬まで受け付け。検査キット(一回分)七百円と送料五百円がかかります。申込者には、折り返し簡易検査キット、検査マニュアルなどを送ります。
電話・ファクス03(3975)4481
(新聞「農民」2006.4.17付)
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[2006年4月]
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