旬の味
中国の詩に「年年歳歳花相似たり」という句があるが農民に言わせればそうでもない。「百姓は毎年一年生」といわれるのは、毎年同じようにのん気に作っていたらいいものはできないから。自然条件も人為的条件も違う、平たく言えば「農業には敵が多い」▼去年は今ごろとうに食べられた冬菜が今年はまだまだ。梅は四月中旬になってようやくつぼみが赤く、桜はさらに遅い。ところが蕗(ふき)の薹(とう)は意外に早く花になってしまい、蕗味噌(みそ)は二、三回食べただけ。都会の人に一、二送ったものの、「若いからどうかな」と思っているうちに花になってしまった▼前記の句の後に「歳歳年年人同じからず」と続く。同じく「伊(これ)昔は紅顔の美少年」という詩もあるが、政治はなかなか頑固だ。BSEや米軍基地に見られる対米従属は「年年歳歳相似たり」に見える▼根っこに日米安保条約があることや、その条約は日本が一方的に廃棄を通告すれば一年後に解消できるのを、今の若い人は知らないかも。自然界と違い人為的に可能なのだが…。 (節)
(新聞「農民」2006.4.24付)
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[2006年4月]
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