「農業技術と食の安全」で
生消研がシンポジウム
鳥インフルエンザ、遺伝子組み換えなどで論議
食糧の生産と消費を結ぶ研究会(生消研)は、三月十七、十八の両日、茨城県つくば市で、「農業技術開発の現状と食の安全・安心」をテーマにシンポジウムを開催。各地の産直組織生産者や生協組合員、研究者など六十三人が参加しました。
一日目は、つくば市内の農林研究団地にある動物衛生研究所で、「BSEの原因と対策」「鳥インフルエンザの発生と対策」について専門家のレクチャーを聞き、ワクチン使用の是非などについて参加者との質疑応答が行われました。
翌日のシンポジウムでは、久野秀二氏(京都大学)が「農業技術開発の現状と食の安全・安心」と題して基調報告。遺伝子組み換え技術を事例に、国際的規制枠組みの現状、リスク評価と管理、遺伝子組み換え食品の拡大が生産現場に与える影響、農業技術発展の展望などを報告しました。
とくにアメリカでは、遺伝子組み換え技術で省力化は進んだものの、すでに除草剤(ラウンドアップ)耐性雑草が出現しており、これは短期的・一面的に問題を解決しようとする技術や、こうした技術を無批判に継続した当然の結果であることが強調され、参加者の共鳴をよびました。
パネリストから、「植物工場の現状」(農水省)、「養鶏生産現場から」(梅原宏保氏)、「伝統農法による試み」(スワデシの会)を聞いたあと、参加者をまじえて討論。四十件にのぼる鳥インフルエンザの発生を経験した茨城県での開催ということもあって、生産者・消費者とも熱のこもった論議となりました。
(新聞「農民」2006.4.10付)
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