「農民」記事データベース20060410-727-14

旅立ちの春 農の未来に若い夢かけて(4/4)

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新規就農者数は増えたが…

解決にはほど遠い後継者難

新規就農者数の推移 二〇〇二年の新規就農者数は約八万人で、九〇年の一万六千人を底に増加傾向にあります(図)。といっても、その数は、八五年の九万四千人よりも少なく、年齢別 の内訳を見ると、いわゆる「新規就農青年」と呼ばれる三十九歳以下は一五%。農業の後継者難が解決したとは到底言えません。

▼情報を発信する窓口を利用して

 新規就農者、とくに非農家出身の就農希望者の全国的な相談窓口になっているのが、全国農業会議所内にある「新規就農相談センター」。ホームページやフリーペーパーなどで情報を発信したり、農業体験会を開催。また、「新・農業人フェア」という催しで、就農希望者と、受け入れを希望する自治体・農業法人などを結びつけるとりくみをおこなっています。

▼各自治体が工夫しユニークな制度

 同センターの五十嵐健夫相談員によると、長野のほかに、北海道、京都、岡山、鹿児島などが、とくに新規就農者の受け入れに熱心とのこと。

 北海道の酪農地帯、別海町、浜中町などでは、研修牧場を設け、研修中の住宅や生活費も保証。研修後は、公社が農地をリースします。

 京都は、遊休農地をもつ市町村の手上げ方式で新規就農者を受け入れ。ユニークなのは、生活指導員も農村生活をサポートすることです。

 岡山も市町村の手上げ方式。農業体験から実務研修、先進農家などでの研修へと、就農までの道筋が整備されています。

 鹿児島は研修中の住宅や生活費の保証が充実。また、就農時の負担軽減のため、就農奨励金を支給したり、施設をリースする自治体もあります。

▼実体験や現地見学などをしたうえで

 五十嵐さんは「農業体験や現場見学をしたうえで、もう一度考えてもらうやり方が定着しつつある。就農希望者には、どこでどんな作物を作り、どれくらいの所得をめざすのか、おおまかな青写真を持って来てもらえると相談に乗りやすい」と話しています。

(新聞「農民」2006.4.10付)
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2006年4月

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