「農民」記事データベース20060410-727-19

本の紹介

村田知章著「『化学物質過敏症』お悩み事情」


化学物質過敏症への理解広められれば…

 茨城・県西農民センターの村田知章さん(31)が、「『化学物質過敏症』お悩み事情」という本を出版しました。

 村田さんは大学を卒業後、二十五歳の春から古河市(旧三和町)で、農薬も化学肥料も使わない「自然農法」を始めました。しかし、就農してから数年たって、喘息(ぜんそく)やアトピーが出たり、倦怠(けんたい)感で体が動かないなどの異変が生じ、病院で診察したら、化学物質過敏症(CS)でした。

 CSとは、化学物質に対する過敏性を一度生じると、それ以降ごく微量な化学物質にも体が反応して、いろいろな変調を示すようになる症状のこと。原因は、まわりの畑で大量に散布された農薬(有機リン化合物)。それ以来、せっかく就農したのに、「休止」状態になってしまいました。

 そんな村田さんが、九十三の「ぼやき」をまとめたのが本書。「『ぼやき』は単なる不平不満でしかないが、心の底からたっぷり吐き出せば何か形として生まれてくるものがあるのではないか」と、一縷(いちる)の望みをかけて書いた本です。CS患者にも読んでもらえるように、見開き二ページで一つの「ぼやき」は完結、字体も大きめです。

 村田さんは、「この病気を理解してもらえないことが一番つらかった。この本を通じて、CSへの理解を広めることができれば」と、話しています。

(本の泉社、定価1300円+税)

(新聞「農民」2006.4.10付)
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2006年4月

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