「農民」記事データベース20060424-729-07

本の紹介

天笠啓祐著
「遺伝子組み換え作物はいらない!」

農家と消費者のGM作物拒否運動を紹介


 遺伝子組み換え(GM)作物の栽培面積が、年々世界で広がっています。GM栽培による種子の交雑や混入の実態も、農民連食品分析センターや市民団体などの献身的な調査によって確認されています。GMに汚染された作物が食品となって、食卓に出回ることが懸念されています。

 ヨーロッパでは、GM作物を拒否するGMOフリーゾーンが広がり、日本でも、規制条例や指針作りが自治体で進行しています。一方、アメリカは栽培規制や食品表示の取り組みにたいし、貿易障壁だと非難。多国籍企業による種子支配もWTOの下で進んでいます。

 昨年十二月、世界の農民や消費者がWTO閣僚会議に合わせ、香港に集結。「WTOノー」「食糧主権を守れ」の声をあげました。日本では、大豆畑トラスト運動のように、農家と消費者とが力を合わせて食料自給を守り、GM作物を拒否する取り組みが草の根で行われています。本書は、こうした運動を紹介し、「このような取り組みが、これからの日本の農業を支えていく大切な柱になる」と結んでいます。

(定価=1600円+税)

(新聞「農民」2006.4.24付)
ライン

2006年4月

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