2006年3月
■2006年3月27日(第725号)
- これ以上の増税やめよ
- 「3・13重税反対全国統一行動」が、全国500以上の会場で取り組まれ、集会やデモ、税務署への集団申告などをおこない、「庶民大増税をやめさせよう」の声を響かせました。農民連の会員も、中小業者や建設職人などといっしょに元気に参加しました。
- 計画撤回へ これからが正念場
- 「やった!! でもこれからが正念場だ」―米軍厚木基地の艦載機部隊を岩国基地へ移転することの賛否を問う山口県岩国市の住民投票は、3月12日、「受け入れ反対」が圧倒的多数という結果に。「市民の良識の勝利」を勝ちとった山口県農民連の世良輝久さんから手記が届きました。
- 米国で3頭目のBSE牛
- アメリカで3頭目のBSE感染牛が3月13日、確認されました。同日、香港では、輸入されたアメリカ産牛肉に輸入禁止の骨付き肉が混入。香港政府は、この牛肉を輸出したアメリカの食肉大手スイフト・ビーフ社の製品を輸入禁止にしました。「アメリカのBSE汚染は日本以上」ともいわれるなかで、あまりにお粗末な違反が繰り返されています。2月17日から23日にかけて訪米調査した日本共産党の紙智子参院議員に話を聞きました。
- 日本と同等の安全対策求めよ/外食の原産地表示知りたい!
- 全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)は3月9日、厚労省・農水省に対して「アメリカ産牛肉は、日本と同等の安全対策がなければ輸入しないこと」を求める要請をおこないました。日本と同等の安全対策とは、(1)全頭検査(2)全頭からの危険部位の除去(3)肉骨粉のエサ使用全面禁止(4)トレーサビリティの実施です。また、こうした対策がアメリカでおこなわれているか、日本の担当官が直接現場に出向いて確認するよう求めました。
- 農のこころ
- 集落を結ぶ棚田や山笑う
- 守ろう世界の宝・9条
- 2006年国際女性デー中央大会は、3月8日、「憲法九条は世界の宝――いま、連帯と行動のとき」を掲げて、東京・九段会館で開かれ、農民連女性部も元気に参加しました。
- “あったか府政”へ転換を
- 4月9日投票(3月23日告示)の京都府知事選挙がたたかわれています。私たち京都農民連は、「明るい民主府政の会」に結集し、京都母親連絡会事務局長の衣笠洋子さんを知事候補に立て、必勝を期してがんばっています。
- 異常気象と食料生産》11《 −農業のはなし
- 私たちの体は、体内の細胞に栄養分をくばり、細胞で生じた新陳代謝物を体外へ運び出すためにたくさんの水を必要とします。粗い計算によると、成人男子は毎日2リットルの水を摂取するようです。食物は一週間ぐらいとらなくても、体内の脂肪分などを利用して生き続けられます。しかし、水は2、3日も飲まないと、危険状態におちいるようです。これが水は命の綱といわれる由縁です。
- 帆苅和輝君の“将来の夢”地方紙に載る
- 「新潟日報」の地方版に小学生の“将来の夢”を紹介するコーナーがあります。そこに、新潟県農民連の副会長で、産直ボックスや直売市においしい野菜を提供してくれている帆苅善一郎さんのお孫さん、和輝君(小学6年生)の文章が載りました。
- 読者からのお便り
- 消費税払い込みとってもきつい/“産地はどこ?”確かめるくせが/カラーのページから読み始める
- 本の紹介/末永昌巳著 つぶすな!農村と農業
- この本は、1987年から今日までの時事通信社が発行している『農林経済』に掲載された末永昌巳さんのエッセイから、84編をまとめたものです。
- 産地発 梅クッキング
- 梅干しとカツオの削り節との相性は抜群! 梅ガツオは、削り節を煎(い)って香りが出たら、種を取って包丁でたたいた梅干しを混ぜ、しょうゆとみりんで味を整えます。多めに作ってふたつきの容器に入れ、常備菜として用意しておくとよいでしょう。そのままで酒の肴(さかな)に、おにぎりやのり巻きの具に、あえものにと、幅広く活用できます。
- 旬の味
- 韓国のテレビドラマ「チャングムの誓い」がおもしろい。朝鮮李王朝の宮廷女官チャングムの料理をめぐる活躍と出世物語である
■2006年3月20日(第724号)
- 大きく広がった産直
- はじめに新婦人本部の高田公子会長は、(1)安全でおいしい野菜を食卓に(2)日本の農業を守る運動に参加する―の2点で進めてきた新婦人産直の16年間を振り返りました。「憲法を守りたい」の思いをみそ作りに込めた「憲法みそ」(神奈川)、子育てママ応援肉セット(愛知)など各地の運動を紹介した上で、「食べ物小組」が全国に広がり、昨年一年間で新たに百八結成されたことを報告。「苦労があっても、新婦人と農民連の双方が育ち合っていく活動に根付かせたい」と語りました。
- GMナタネ 自生調査に参加しませんか!
- 食用油や飼料向けに輸入され、こぼれ落ちた遺伝子組み換え(GM)ナタネの自生が全国各地に広がっています。環境や生態系への影響が深刻化するなかで、農民連食品分析センターは、GMナタネの自生調査への参加者を募集しています。
- 評価額アップで強引な増税
軽減かちとる取り組みを
- 固定資産税は、課税対象となる評価額を3年ごとに評価替えします。2006年はこの年にあたる大事な年。農民連は3月23日、「固定資産税を軽減させる取り組み全国交流会」を開催します。
- 米軍は絶対来ないで!!
- 鹿児島県鹿屋(かのや)市で、米軍空中給油機の移駐に反対する市民集会が開かれ(2月26日)、8200人が参加しました。「こんなに人が集まったのは初めて」と言われる集会に参加した、鹿児島県連顧問の真戸原勲さん(81)から、手記が届きましたので紹介します。
- どうなる? 日本の農業/ビア・カンペシーナのホームページ
- 岐阜県農民連は、「品目横断対策」のねらいを暴露し、地域住民が一緒になって考えていこうと、学習会を県下各地で開いています。美濃加茂市では2月18日、「品目横断的経営安定対策で、どうなる日本の農業」と題する学習会を開き、3人の市議と5人の農業委員を含む、農家、消費者など50人以上が参加しました。
- 農のこころ
- 果樹園の根開きあをし雪解風
- GMナタネ 自生調査スタート
- 「遺伝子組み換え食品いらない! キャンペーン」が、昨年に引き続き、GM(遺伝子組み換え)ナタネの自生調査を全国で行います。3月7日、自生調査のスタート集会を都内で開きました。
- “自家製みそ”作りました/訂正
- 栄町大豆畑トラストの新潟市のメンバーで構成されている「おいしんぼの会」は、毎年2月にトラストの大豆を使って、みそを仕込みます。今年も2月26日に、前日から水を張った大豆やこうじを持ち込み、圧力鍋や大鍋、マッシャーなどの道具で3時間、総勢10人で約80キログラムのみそを仕込みました。
- 異常気象と食料生産》10《 −農業のはなし
- 作物は春の訪れにつれ、耐寒装備を脱ぎ捨て若葉を出し、花を咲かせます。この時期の晩寒は、作物の生命活動に致命的です。若葉、幼花などの細胞内に氷の結晶ができ、組織が破壊されて黒く変色し、死んでしまいます。作物がどれくらいの低温に耐えられるかは、重要な情報です。
- 平和であればこそ…の気持ちで
- 私は、琵琶湖で漁業を始めて30年になります。毎朝3時に漁に出ます。琵琶湖はかけがえのない「宝の湖」です。その風景は一見すると以前と変わりませんが、固有種のイサザやふな寿し用のニゴロブナ、ホンモロコ、セタシジミなどの水揚げは激減しています。
- 立派な寒グロ
- ご覧ください。この立派な寒グロ。40センチもあります。これは、長崎県新上五島町の「うまかもん倶楽部」から宅急便で2月末に送られてきたものです。
- 旬の味
- 新年会の宴席上の話から始まった、九十戸の部落の「男がそばを打つ会」は5年目。初めはお母さんやおばあちゃんが心配して手伝いに来たが、今ではお客さん。男も自立した
■2006年3月13日(第723号)
- 自分たちの田んぼは自分たちで守る
- 小泉内閣が推し進める農業「構造改革」。その目玉が、品目横断的経営安定対策で、いまの国会に関連法案を提出してきました。この新たな対策をめぐり、どう地域農業を守っていくのか、農村が揺れています。そんななか、滋賀県長浜市にある鳥羽上北町地域では、一部の大規模農家が「担い手」になるのではなく、多様な農家が共同の力で地域農業を守ろうとしています。その中心になっているのは、営農組合です。
- BSE問題 リスク管理の甘さ認めよ
- 農民連と畜全協(畜産農民全国協議会)は、3月9日の畜産審議会に向けて、3月1〜2日の2日間にわたり畜産要求行動を行い、アメリカ産牛肉輸入禁止の継続と酪農畜産農家の保護を農水省に強く訴えました。
- 日本政府が「MA縮小・撤廃」放棄
- WTO農業交渉のなかで、輸入農産物の関税をどこまで下げるか、低関税の輸入枠(ミニマム・アクセス=MA)をどの程度広げるか、といった「市場アクセス」の分野は、各国・グループの意見が最も対立している問題です。とりわけ日本にとっての米など「重要品目」の扱いはとくに重要。しかしアメリカなどは、「重要品目」といえども大幅な関税削減と輸入枠の拡大を要求しています。
- 国会だより
- 政府は2月24日、品目横断的経営安定対策を導入するため、3本の法律案を今国会に提出しました。主な「改正」点を紹介します。なお、施行日はすべて2007年4月です。
- 農のこころ
- 誘引(ゆういん)のぶどう木潜(くぐ)る春の雪
- ポジティブリスト制度って
- 青森・津軽農民組合は2月21日、弘前市で、5月29日から施行される農薬の「ポジティブリスト制度」について、農民連食品分析センターの石黒昌孝所長を講師に学習会を開きました。
- 農民連の記帳簿使って“節税できてビックリ”/税金運動のすばらしさ実感
- 奈良県農民連は、3つのセンターを中心に、税金と仲間づくりの「春の大運動」に取り組んでいます。
- 異常気象と食料生産》9《 −農業のはなし
- 夏から冬へ、また冬から夏へと季節が移行する時期、日本列島上を西から東へ移動性高気圧が流れてゆきます。図のように高気圧の中心が日本にあると、多くの地方で穏やかな晴れた日が続きます。このような日には、日没とともに地面 や植物の温度はぐんぐん下降し、夜明け前に零度を切ると、その表面には白く霜がむすぶのが普通 です。秋末に起きるのが早霜(はやじも)で、春先に起きるのが晩霜(おそじも)です。
- 今年は何をつくろうか/食べて、お手伝いして畑のパワーもらったわ
- 春日部楽農倶楽部(高橋晃会長)は2月19日、10人が参加して話し合いを行い、今年はジャガイモ、サツマイモ、ヤーコン作りに挑戦することになりました。
- 太陽の恵み丸ごと
- 福島県郡山市の中田町は、樹齢四百年の「紅枝垂地蔵桜(べにしだれじぞうざくら)」をはじめ枝垂れ桜が静かに咲く山里。ここで生まれ育った宗像孝さんは、枝ものの栽培をしています。12月から梅の花の出荷がはじまり、3月の節句には桃の花、4月には桜の花と忙しい日々が続きます。
- 産地発 梅クッキング
- 梅どころ、和歌山・南部川の晩稲香雲丘(あしねこううんきゅう)一帯にある南部梅林は、白い雲のじゅうたんを山全体に敷きつめて咲き誇る約100万本の梅の香りが十里四方に広がります。毎年2月11日には、小殿神社で梅供養として梅まつりが開かれます。
- 旬の味
- 最近、「食の安全・安心」をテーマにしたセミナーに参加することが多い。配布された資料の中に、食育基本法の前文があった
■2006年3月6日(第722号)
- “脱落者出さない”が農村維持のコツ(1/2)/(2/2)
- 日本一の積雪記録(7メートル85センチ)がある長野県栄村はいま豪雪の中。同村はまた、合併をしないで住民自治を土台にした自立の道を歩み、独自の農業振興策を推し進めていることでも知られています。2月18日、農民連の真嶋良孝副会長、笹渡義夫事務局長、長野県連の宮沢国夫事務局長が、高橋彦芳村長を訪ね、雪害を見舞うとともに、「品目横断的対策」などへの対応を聞きました。
- 国会に提出された医療制度改悪法案
- 小泉内閣は、医療制度「改革」法案を国会に提出しました。この法案は、高齢者を中心に新たな国民負担を押し付け、公的な医療制度の土台を壊そうとするものです。
- 税金記帳会に強い関心/食品分析センター募金者氏名
- 茨城県つくば市で16日、消費税の学習会をかねて県南農民組合の記帳会が開かれました。そこに水稲と芝を栽培しているO氏が「新聞折り込みチラシを見て関心があった」と、参加してくれました。
- BSEファイル
- アメリカ産牛肉に危険部位の背骨が混入していた問題で、農務省は2月17日に報告書を発表。この報告書によって、同国の規制がまったく機能していないことが判明しました。
- 農のこころ
- 待春の乾ききったる仕付畑
- 春のグリーンウエーブ始まる 食健連
- 全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)は、「春のグリーンウエーブ」(「食糧の波」=食糧と健康を守る全国統一行動)を3月から5月27日まで実施します。
- 農民としっかり団結して
- 全国農業協同組合労働組合連合会(全農協労連)は2月16日、結成50周年を祝う記念レセプションを都内で開きました。
- 農協解体攻撃に休戦なし/販路をもっと広げ売り上げ増めざそう
- 経済財政諮問会議は、今年すでに3回開かれています。第1回は1月18日、この席で奥田氏(経団連会長、トヨタ会長)など4人の民間有識者が「平成18年の経済財政諮問会議の進め方」という文書を提出。2回目の2月1日にはこれとほとんど同じ内容の「平成18年の経済財政諮問会議における課題」が、与謝野担当大臣から提示されました。これからも、財界代表の注文に追随する政府の姿勢が鮮明です。
- “仲間をもっと増やそう”/高橋千鶴子衆院議員の記念講演/ビア・カンペシーナの連帯メッセージ
- 農民連青年部第14回総会が2月19、20日、都内で開かれました。全国から集まった青年は36人。ますます拍車がかかる農業つぶしに負けず第一線でものをつくり、売る――そんな日本農業の未来を担う若者たちが互いの経験、アイデアを交換し、大いに交流を深めました。
- 畑から一直線 新鮮野菜生かしたレストラン/草花・野菜の押し花
- 東京・東村山市の閑静な住宅街に、家庭料理の店「ゆうすげ」があります。午前10時、市内の農家、小山千代子さんが野菜を届けに来ました。大根、人参、ほうれん草など採れたての野菜です。
- 読者からのお便り
- 米国の言うこと“うのみ”に危ぐ/日本のBSE対策は何だった?/農協解体攻撃をはねかえそう/安い添加食品の疑問が氷解した
- 演劇/フランス劇のコンクール
- フランスの現代劇作家、ギィ・フォワシイの作品を上演しているギィ・フォワシィ・シアターとシアターχ(カイ)提携で開かれるギィ・フォワシィコンクール。昨年から発足、ことしは2回目です。ギィ・フォワシィは劇作家50周年を迎えるベテランで、ブラックな笑いや現代人の隠れた感情の表出したせりふなどに定評があります。
- 大使も杵をふるって
- パキスタン北部大地震の被災者への支援を広く呼びかけるため、2月16日、都内の同国大使館で「もちつきフェスタ」が開かれました。呼びかけたのは、「ヒューマン・ライツ・オブ・マイグラント・ワーカー(移住労働者の人権)を知る会」の田辺充康さんと、パキスタンから日本に帰化した榎本建心さん。農民連、新婦人など、約20人が参加しました。
- タイ農村かけある記(4)
- バンコクから約75キロ離れた中部平原の古都、アユタヤ近郊にあるマハラート農協(1975年に設立、組合員は1414人)を訪ねると、エーク組合長以下すべての理事さん(15人うち女性4人)と、タイ政府から協同組合局(CPD)の郡事務所長スラサルカさんらが迎えてくれました。
- 異常気象と食糧生産 》8《 ―農業のはなし―
- 低温注意報のたびに深水かんがいで幼穂を守って、やっと出穂・開花期を迎えます。それは北日本では8月上旬です。これは冷害の源であるやませ風のもっとも発達する時期です。低層雲をともなって冷たい偏東風が陸地めがけて海から押し寄せてきます。
- インタビュー/野生動物たちが元気でないと
人間や家畜も健康に生きられない
- 美しい里山の四季。そこで暮らす野ネズミやリス、キツネ、タヌキなどの家族が展開する「地域社会」の物語。動物たちの活躍が明るく、楽しく描かれていく絵本――柔らかな色彩が読む人の心に優しく響きます。自然を愛し、子どもたちの健やかな成長を願う絵本が国内だけでなく、フランスやドイツ、台湾などでもロングセラーになっています。それらの絵本の紹介や原画を展示している「絵本の丘美術館」でお話をうかがいました。
- 旬の味
- 昨年末以来の冷え込みと乾燥で、今年のタマネギの産直出荷は大丈夫かと、生育状況を気にしていた矢先、2つの“異常”が起こった
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