「農民」記事データベース20060320-724-03

固定資産税

評価額アップで強引な増税
軽減かちとる取り組みを


 固定資産税は、課税対象となる評価額を三年ごとに評価替えします。二〇〇六年はこの年にあたる大事な年。農民連は三月二十三日、「固定資産税を軽減させる取り組み全国交流会」を開催します。(詳報は別項)

 中小規模農家をねらい撃ちに

 地方財政からみると、固定資産税はきわめて重要な財源です。総務省の「地方財政の状況」(二〇〇五年三月)によると、市町村税収入額の四六%が固定資産税で占められ、その割合は年々高まっています。また人口が少ない市町村ほど、固定資産税に頼る傾向があります。そのため、強引な増税がおこなわれようとしています。

 今国会に地方税法「改正」案が提出されています。これは、固定資産税の評価額を公示地価に近づけるために、毎年二・五%ずつ引き上げている負担調整措置を見直して一挙に二倍以上に引き上げ増税するものです。

 さらに財界の動きも見逃せません。昨年六月、日本経済調査協議会は「農政改革」に向けた提言を発表。そのなかで農地への優遇措置は「一定規模以上の農地を、一定期間以上利用している者に限る」べきだとしています。小泉政府の農業「構造改革」にそって、優遇措置を一握りの農家に限定し、中小規模農家には税金を重くせよ、ということです。

 様々な成果をあげてきた農民連

 こうした課税強化の動きのなかで、固定資産税を軽減させることは、農家の切実な要求になっています。

 農民連はこの問題で、各地で多くの成果をあげてきました。たとえば、農業用施設が建てられている土地の評価については、一九九七年に「農地評価額+造成費」に変更されましたが、山口県では全国一律三千円(一平方メートルあたり)の造成費を実情にあわせて五百円に引き下げさせました。また群馬県では、たい肥舎を家屋とみなした評価課税を償却資産に変更させて税額を大きく軽減しました。静岡市や奈良県では、市町村合併で農地の宅地並み課税が問題になり、生産緑地の指定をさせました。

 愛媛県今治市では、米の収入を上回る高い固定資産税が大問題になっています。今治市の市街化区域にある約二百五十ヘクタールの農地の固定資産税は、毎年五〜一〇%の複利で上昇しています。日吉地区の二〇〇四年度の固定資産税は十アールあたり七万二千八百八十八円で、米を作っても五万二千円の赤字です。越智今治農民連では、こうした内容を農家に知らせ、都市的農業の振興や地産地消の推進とあわせて、市街化区域農地の固定資産税を標準小作料水準まで引き下げること、生産緑地指定で農地並み評価課税にすることなどを求めています。


固定資産税を軽減させる取り組み全国交流会

◇3月23日(木)午後1時〜5時
◇東京・豊島区生活産業プラザ(JR池袋東口、徒歩10分 豊島区役所そば)詳しくは農民連本部まで

(新聞「農民」2006.3.20付)
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2006年3月

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