「農民」記事データベース20060306-722-19

旬の味


 昨年末以来の冷え込みと乾燥で、今年のタマネギの産直出荷は大丈夫かと、生育状況を気にしていた矢先、二つの“異常”が起こった▼一つは、昨年の生鮮野菜の輸入量がとうとう百万トンの大台を超えたという財務省貿易統計の発表。タマネギは三割増の三十五万トン、ニンジンは十万トン、ネギは八万トン、三品とも史上最高を記録した。今後も百万トン台が続くというから大変だ▼もう一つはアメリカで歩行困難ないわゆる“ヘタリ牛”二十頭が、原因不明のまま食肉処理されていたという農務省監査局の発表。BSE感染のリスクの高い特定部位の混入が発覚して一気に噴きだした食の不安をあざ笑うような、ズサン極まるアメリカの牛肉処理の実態報告だ▼野菜と牛肉の輸入がここまできたかと、思わずため息をつきながら、野放しの市場開放を続ける小泉内閣に激しく詰め寄りたいところだ。あらためて“安全な食料は日本の大地から”の原点に立ち、食糧主権を取り戻そうと、広く内外に訴えたい思いにかられる。

(西)

(新聞「農民」2006.3.6付)
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2006年3月

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