岩国への米艦載機移転

計画撤回へ　これからが正念場

住民投票反対多数　“良識の勝利”

　「やった！！　でもこれからが正念場だ」―米軍厚木基地の艦載機部隊を岩国基地へ移転することの賛否を問う山口県岩国市の住民投票は、三月十二日、「受け入れ反対」が圧倒的多数という結果に。「市民の良識の勝利」を勝ちとった山口県農民連の世良輝久さんから手記が届きました。

　ほとんど爆音の被害がないと思われる地域の裏つじでハンドマイク宣伝。人通りも少なくスピーカーの声がつじつじにしみこんでいきます。しかし、五分くらいたったころから、家の窓越しに笑顔や手を振っている人が見えました。わざわざ、家から出てきて声をかけてくれる人もいます。時たま通る自転車や車の中も笑顔です。これほど反応がいいハンドマイク宣伝は初めてでした。

　三月十二日の投票日。電話で「投票に行って反対に○を」と呼びかけると、向こうの声が明るい。「行ってきましたよ。ごくろうさま」「これから行きます。がんばって」。外でも、「反対に○をする会」の宣伝カーが「投票に行きましょう」と呼びかけています。

　午後二時の投票率は四四・四％。勝利を確信していましたが、仲間の顔に笑顔はまだありません。“一票でも多く反対票が過半数を超えるように最後までがんばろう”と、それぞれの場所に散っていきました。

　午後四時で過半数を超え、最終投票率は五八・六八％。「反対」が四万三千四百三十三票、「賛成」が五千三百六十九票となり、艦載機受け入れ反対という“歴史的勝利”となりました。全国からも大きな励ましをいただき、本当にありがとうございました。

　これからが正念場です。三月二十日の市町村合併で新しい岩国市が誕生。そして四月の市長選挙、十月の市議会議員選挙と続きます。合併する町村の首長は、こぞって岩国市長に住民投票をやめるように脅しをかけました。住民を信じて引き続く選挙に取り組み、平和で住みやすい街づくりを、みなさんと力を合わせて進めていきたいと思います。