「農民」記事データベース20060313-723-06

ポジティブリスト制度って

食品分析センター石黒所長を講師に
青森県連が学習会


 青森・津軽農民組合は二月二十一日、弘前市で、五月二十九日から施行される農薬の「ポジティブリスト制度」について、農民連食品分析センターの石黒昌孝所長を講師に学習会を開きました。(写真〈写真はありません〉

 ポジティブリスト制度では、農産物ごとに使用していい農薬と残留基準値が登録され、基準値以上の残留農薬や指定外の農薬が〇・〇一ppm以上検出されると出荷停止の可能性もあります。農家にとっては寝耳に水といった人も多く、制度の内容を知ろうと、八十人の組合員が参加しました。

 石黒所長は、中国の冷凍ホウレンソウに代表されるような危険な輸入農産物に対して、現在の制度では登録外の農薬は規制の対象にならず、そのような輸入農産物を規制するために制度が導入されたと説明。しかし、ポストハーベスト農薬が残留している輸入小麦など品目によっては非常に高い暫定基準値が設定されているなどの問題点もあり、今後、基準値の見直しを求める運動が必要だと説明しました。

 一方、国内農業への影響も大きく、単一作物に対して使用基準を守って農薬散布した場合は問題ないが、さまざまな農産物がとなり合っているような畑では農薬飛散による登録外農薬の検出が問題になるとのこと。このような場合、農薬の使用者に注意義務がありますが、農薬飛散により出荷停止になった場合の責任の所在については何の決まりもなく、制度の運用にあたってさまざまな問題があることなどが明らかになりました。

 質疑応答では、参加者から、どのように農産物を分析するのか、除草剤は今まで通り使っても大丈夫かなど質問が相次ぎ、また、今まで国内で消費されていた輸入農産物の危険性を知り、やっぱり輸入農産物は恐い、食べたくないなどの感想も出され、有意義な学習会となりました。

(津軽農民組合 藤田和美)

(新聞「農民」2006.3.13付)
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2006年3月

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