BSEファイル
規制は絵に描いた餅事実が証明する米農務省報告アメリカ産牛肉に危険部位の背骨が混入していた問題で、農務省は二月十七日に報告書を発表。この報告書によって、同国の規制がまったく機能していないことが判明しました。報告書は、背骨付き牛肉が輸出された経緯を記述。問題の牛肉は、中間処理業者から輸出業者に出荷され、日本に輸出されましたが、この間に四回、農務省の検査官の前を素通りしていました(出荷時と第一〜三次の輸出証明の取得時)。さらに、最終的に輸出を許可した農務省の獣医師は、日本向け輸出の条件について何も知らないまま、輸出証明に署名していました。 農水省と厚労省は昨年五月、危険部位除去などの規制をアメリカがきちんと守るという架空の前提にもとづいて、食品安全委員会に同国の牛肉のリスクを諮問。しかし今や、これが“絵に描いた餅(もち)”だったということが、事実によって明らかになったのです。 二十三日に開かれた食品安全委員会には、農務省の報告書が提出され、農水・厚労省の担当者が説明。委員からは「知らなくてサインしたというのか」といった、アメリカの管理体制に対する疑問の声が相次ぎました。諮問の前提が崩れた以上、リスク評価をやり直すとともに、全頭検査など日本と同等の対策を、あらためてアメリカに強く要求すべきです。
(新聞「農民」2006.3.6付)
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[2006年3月]
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