「農民」記事データベース20060313-723-12

旬の味


 最近、「食の安全・安心」をテーマにしたセミナーに参加することが多い。配布された資料の中に、食育基本法の前文があった▼これに後押しされ、以前から思案していた「料理教室」を自宅で定期的に開くことにした。当初は「お菓子作りをしたい!」という要望に応えるつもりだったが、若いお嫁さんもいるので、おかずの一、二品も持ち帰れるレシピにした。帰宅してすぐ牛舎へ向かい、仕事を終えてから夕飯の仕度をする酪農家の女性はたいへんなのだ▼「旬の食材」を使った「簡単な家庭料理」、できれば「和食」と、骨格はなかなかだが、自信のほどはない。そこは二十年のキャリアでカバーできるかなぁという頼りなさ。思いは、現代の食生活の見せかけの豊かさを見直し、次世代に引き継ぐような食文化にふれることだ▼近年、牛乳の消費量が落ち、搾り過ぎた牛乳を捨てなければならないという。背景には、土づくりを忘れ、輸入穀物に頼る酪農がここ数年で急激に増えたこと。もう一度、牛飼いの原点を見直す時だ。

(江)

(新聞「農民」2006.3.13付)
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2006年3月

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