2004年10月
■2004年10月25日(第657号)
- 学校給食に地産地消を 火付け役になった町
- 埼玉県は、食健連や農民連の働きかけもあって、学校給食のすべてのパン・めんに、埼玉県産の小麦を100%使うようになり、「給食にたくさん、さいたまの農畜産物が使われているよ!」というチラシを作って、「学校給食に地産地消を」と呼びかけています。こんな埼玉県のなかで大利根町は、学校給食に地元産の米を最初に導入した町として知られています。
- 千葉県農民連 農水省に要請
- 千葉県農民連(大木伝一郎会長)は10月7日、日本共産党の志位和夫委員長とともに米価下落の緊急対策をとるよう農水省に要請しました(写真〈写真はありません〉)。要請には、県内の米どころ、八日市場市農業委員会の秋山清寿会長、片岡守職務代理、依知川智前会長が同席して、全会一致で採択した「米価の異常事態打開を求める建議書」を提出。農民連本部からは横山昭三・米対策部事務局長が出席しました。
- 全頭検査を維持・継続せよ
- 国は、アメリカ産牛肉の輸入解禁を前提に、BSE(牛海綿状脳症)の全頭検査を見直して検査対象を21カ月齢以上にし、10月中にもアメリカと最終協議に入ろうとしています。
- 営農続けられる救済策を
- 大分農民連は10月7日、相次ぐ台風被害への対策、大蘇ダムの建設問題などについて、大分県知事に申し入れました。この交渉には、小野幹雄会長をはじめ県連の役員、被害にあったかんきつ・稲作農家、ダム関係農民など11人が参加。日本共産党の加藤純子県議、堤栄三前県議も同席し、農林水産課長が対応しました。
- 「公正・的確な検査」は公的検査のいのち(1)
- 米をはじめ農産物の検査制度が、来年度から完全民営化されます。農産物検査はこれまで、国という公的機関が「全国一律の規格・基準」で「公正、的確」に行うことで、現物を見ないでも取引できる仕組みを支えてきました。加えて、「公正・円滑な流通」と「品質改善」を助長してきたともいえます。
- 工業品の見返りに農産物の開放要求する輸出大国
- 今年8月、衆院農水委員会の調査で、ケアンズ(主要農産物輸出国)グループの3カ国を視察した日本共産党の高橋千鶴子議員。WTOで自由貿易の拡大を主張するオーストラリア、ニュージーランド、さらにFTA(自由貿易協定)交渉が進むタイを訪問。高橋議員に、訪れた農産物輸出大国の印象を語ってもらいました。
- この目で見たベトナム農業
- 視察団は、首都ハノイにあるハノイ農業大学を訪れました。
- 大豆畑トラスト枝豆収穫祭
- 10月10日、台風の影響であいにくの天気でしたが、福岡・みのう農民組合の大豆畑トラスト枝豆収穫祭が行われました。
- ありがとう。送ってくれたかかしのおかげで稲が良く育ちました。
- 山形・庄内産直センターがお米を供給している神奈川・横浜市の苗場保育園、みどり共同保育所の子どもたちがやってきて、大自然にふれ、農業を体験する「生命の源にふれる旅」。9月25〜26日、7年目の稲刈りが行われました。
- “野猿”は人力ロープウエー
- 野猿(やえん)とは、つり橋が架けられる以前に使われた川を渡る原始的な道具で、はじめ箱舟と呼ばれていたそうです。大正末期ごろから、猿が木の蔦(つた)を伝っていくようすに似ていることから、この名が付けられました。
- 旬の味
- 私がよく行く理容院のご主人の趣味は農道具の収集だ。手押しの除草機、棒秤、石臼、カメ、馬耕用プラウなどが所狭しと並んでいる
■2004年10月18日(第656号)
- 国内農業の発展で自給率の抜本的向上を
- 「国は、食の安全・安定供給に責任をもて」「国内農業の発展で食料自給率の抜本的向上を」――。全国食健連の秋のグリーンウエーブ行動が10月1日、始まりました。9年ぶりの横浜港「海上デモ」に続いて、シンポジウム「いまなぜ食料自給率向上なのか」を開催。翌日は全国代表者会議を開き、「自給率向上国民署名」を軸にとりくむ行動を意思統一。150人以上が参加して、食の安全・安心をないがしろにし、輸入自由化と農業つぶしを進める小泉悪政とのたたかいの火ぶたを切りました。
- 自給率向上へ いま何をなすべきか
- 全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)は10月1日、横浜市の県民ホールで、緊急シンポジウム「いまなぜ食料自給率向上なのか」を開きました。会場には、全国各地から140人余りが集まりました。
- 自給率向上 署名成功へ多様な取り組みを
- 「自給率向上署名」を軸に、多様で幅広い取り組みを進めよう――。10月2日に横浜市内で開かれた全国食健連2004年度「全国代表者・活動者会議」は、食料自給率を向上させる政策への抜本的転換を国に求めるグリーンウエーブ行動の運動方針を決めました。
- 台風被害 実態調べ県に対策要求
- 台風上陸で、家屋や農業施設が壊され、果実の落果や水稲の倒伏、稲穂の変色など、被害が複雑で広範囲に及びました。岡山県農民連は、すぐに被害の実態を調査して、9月17日、県交渉を行いました。
- ホント?! 新米が水より安い
- 米どころ東北でも、稲刈りが最終盤を迎えています。たわわに実った黄金色の稲穂が、白亜色のお米に変わる瞬間、本来は喜びに満ちあふれるはずですが、農家の気持ちは晴れません。今年の新米価格が“水よりも安く”暴落しているからです。「そんな、まさか!」と思うかもしれませんが、これは正真正銘、日本の農家が汗水流して作ったお米の話です。
- 「全頭検査の継続を」
- 厚労省と農水省は、20カ月齢以下の牛を全頭検査の対象から除外するなどBSE対策の見直しを、食品安全委員会に諮問しました。これは、「全頭検査の堅持」を求める圧倒的な国民世論を無視した暴挙です。アメリカ産牛肉の輸入再開を、食の安全対策よりも優先する小泉内閣。しかしその一方で、自治体の首長や議会から「独自に全頭検査を継続する」との発言や決議が相次いでおり、小泉悪政と国民の対決という構図がいっそう鮮明になっています。
- 愛媛 直売所繁盛で町に活気/開店前から行列「百姓百品の店」
- いま中山間地域で、直売所を使って地元の農産物を販売して、農家の女性や高齢者の生きがいを生み出し、農業経営を一変させた取り組みが注目されています。愛媛県内の百姓百品産直組合(西予市)と内子町「からり」もそのひとつです。家族農業で産直に取り組み、笑顔と元気を増やしています。
- 愛媛 直売所繁盛で町に活気/地域農業振興の力に
- 内子フレッシュパーク「からり」直売所もまた、多くの農家が農業に誇りを持つようになり、当初は高齢者や女性が中心でしたが、いまでは専業農家や若者の出荷者も増加し、農業を継がせたいと思っている農家も増えています。この町にある農民組合(上田輝国組合長)も設立当初からかかわり、「からり」の発展を支えてきました。
- 籾(もみ)で絵を描く
- 佐久市の私の近所に住む木下恒男さん(71)は7年ほど前から、色を着けた籾(もみ)を一粒一粒ベニヤ板にはりつけて風景や人物を描いています。
- 読者からのお便り
- 憲法9条が危ない 声をあげないと/昔は農業つぶしに抵抗してきたのに/農家が安心して励める農政必ず/大企業に手厚く県民には冷たく/仙台にプロ球団できるのに賛成
- かかし大集合・380余
- 第34回かみのやま温泉全国かかし祭が、9月11日から20日まで開催。上山市制50周年とあって、380余体のかかしが競い、全国各地から9万人の観光客が訪れました。
- 演劇/劇団昴公演 チェーホフ的気分
- 「かもめ」「ワーニヤ伯父さん」「桜の園」「三人姉妹」などの作品で親しまれているロシアの劇作家アントン・チェーホフ。ことし没後百年の年にあたり新たな関心がひろがっています。劇団昴が上演する「チェーホフ的気分」は、チェーホフをよく知る作家のユーリー・ブイチコフが人間・チェーホフの実像に迫った戯曲です。1890年から1901年までのチェーホフの姿が、書簡をもとに構成されています。
- 梨山でコンサート
- 奈良県大淀町の大阿太高原では、約60軒の農家が二十世紀梨をはじめ、豊水、幸水など多品種の梨を栽培しています。出荷も一息ついた9月26日の夕べ、収穫祭を兼ねて「大阿太高原・梨山コンサート」が開かれました。
- “農業経営のパートナー募集中で〜す”
- 北海道虻田町の牧野文夫さんが、農業経営のパートナーを募集しています。
- 農民連ふるさとネットワークも出店
- 東京・北足立市場で10月3日、「第16回都民のための野菜天国・果実王国・花華楽園まつり」が開かれました。あいにくの雨のなかでしたが、会場には、全国から野菜や果物、花などがところ狭しと並べられ、ゲームや抽選会などもあり、終日、家族連れなど大勢の都民でにぎわいました。
- この目で見たベトナム農業
- 視察団の一行は、ホーチミン市内にある農業専門学校を訪問しました。夏休み中でしたが、校長以下10人の先生方と、額縁に入ったホーチミンの微笑む写真が迎えてくれました。この学校は、技術的な実践者をいち早く育成し、農村社会の発展に貢献するために、ベトナムが解放された翌年1976年に設立されました。2年制の職業専門学校で13の学部があり、教員数は45人。生徒は18歳から40歳まで、約2500人が学んでいます。このうち男性が65%、女性が35%の比率です。
- カマ持つ手も震え 稲刈りとったよ
- 秋晴れとなった9月14日、埼玉県坂戸市にある原秀夫さんの田んぼに、東京都東久留米市立第九小学校の5年生3クラス100人が先生8人とともに訪れ、稲刈りを体験しました。
- 旬の味
- プロ野球選手会がストに立ち上がり、ファンの応援を受けて、元有名選手の「選手はグラウンドでいいプレーをすることに専念すべき」との言葉を尻目に勝利した
■2004年10月11日(第655号)
- 米不足なのに米価暴落 その元凶は?
- 空前の安値になっている今年の米価。農家手取り(農協仮渡価格)は、輸入米を下回る1俵(60キロ)8000円台の産地・銘柄もあります。なぜ? お米が余っているから?――とんでもありません。昨年は大不作で、今年もせいぜい平年作。米不足なのに米価は下がる――この異常事態の元凶は、政府の米に対する責任放棄です。
- とんでもない! 1万7100円の米が仮渡金9900円
- 米改革がなかったらこれほどの痛みもなかったはず――。日本海側の米産地では、台風被害が深刻。さらにこれを激痛にしているのが、全農にいがたの米ビジネスです。
- ふるさとネットは魅力です
- 「串間合鴨水稲会」(内野政利会長)は8月末、宮崎県農民連に団体加入しました。思いは、農民連ふるさとネットを通じた販売網の強化です。
- 奈良県農民連 県農林部と交渉
- 奈良県農民連は9月22日、「家族経営を続けるための農家の要望書」(37項目)をもとに、県農林部と交渉しました。
- 県内でBSE感染牛発見 万全の対策をとれ
- 熊本県農民連と同食健連は9月17日、県内でBSEに感染した牛が発見された問題で、県に対して万全の対策をとるよう申し入れました。申し入れには、県連の笹渕賢吾会長と私、それに日本共産党の松岡徹県議も参加しました。
- がんばってます 食料自給率向上の署名
- 広島県農民連の杉本隆之会長は、自給率向上署名を片手に地元農協や近所の家庭を訪問し、8月には2週間で80筆近い署名を集めています。「人間、食わずにはおられんので、誰もが賛成してくれる」と話します。
- 読者からのお便り
- わが家でも「農民」楽しく読んでます/台風の上陸多いと稲穂へ被害心配/「戦争体験」読んで9条守るに尽力
- 本の紹介/食糧運動をたおやかに―生協懇10年の轍とこれからの路―
- 2003年11月、鹿児島で「食料・農業・食の安全に関する生協懇談会」主催の学習交流会が開かれ、全国から百人を超える生協関係者や産直生産者が参加しました。この学習交流会で宮村光重さんが、「地域でめざす食糧運動」と題して講演。その後、多くの方々から「今後の産直運動の教科書に活用したい」との声があがり、この本が出版されました。
- 広めよう 広げよう 憲法9条
- うたごえは平和の森にこだまして、届け9条 世界の空に――。茨城県西農民センターの北嶋誠会長がリーダーを務めるフォークソンググループ「ヒューマン・ファーマーズ」は9月25日、つくば市で開かれた「森の木陰でどんじゃらフェスタ」(第1回南部地区赤旗まつり=日本共産党南部地区委員会主催)に参加。憲法9条にひっかけて、京都農民連から九条ネギを取り寄せ、憲法九条をラベルにした地ビールとともに販売し、「広めよう! 広げよう! 憲法九条」と呼びかけました。
- この目で見たベトナム農業
- ベトナムでは、農家が生産した米は、市場を通じて販売されます。米の市場価格は、トラクターなどの機械、農薬や肥料といった生産コストがかかるわりには高くないため、ドンメイ村のチャン・ティ・ウさんは、農閑期に近くの塩工場で働いているそうです。
- 堆肥づくり
- 「麹(こうじ)のようなにおいがする」「堆肥は臭いという感じがなくなった」「自分の家の廃棄物も堆肥にできないか?」と、スコップ片手にワイワイガヤガヤ集まってくる青年たち。奈良農民連青年部「にょきにょき」の堆肥勉強会です。月に2回くらいのペースで7月末から開いています。
- たくさんの応援ありがとう
- たくさんの応援メッセージをいただき、ありがとうございました。
- 轟音とどろくもと懸命に稲刈りしたよ
- 茨城農民連青年部や民青同盟など県内の青年団体が「いっしょに作ろう日本のお米」と取り組む百里平和農園(小川町)。9月23日に、第11回稲刈り交流会を開き、40人が参加しました。
- 旬の味
- 水稲の塩害がこれほどひどいとは。8月の台風に稲の登熟の盛りを直撃されて実入りがとまり、ススキ状態になった。農民は稲穂の傾く角度でおおよその収量を計る眼力を持っているが、ズバリ的中。秋田の日本海沿岸の作況指数は戦後最低の71で、上位等級は激減しそうだ
■2004年10月4日(第654号)
- 国内のBSE全頭検査の堅持を 米国産牛肉輸入禁止を継続せよ
- 小泉首相は9月21日、BSE発生で止まっているアメリカ産牛肉の輸入について、日米首脳会談で、ブッシュ大統領と早期に再開することで合意しました。これは、「安全・安心な牛肉を食べたい」という消費者の声を踏みにじるものです。
- 10月から文字を大きくしました
- 新聞「農民」は、今回の10月4日号から、より読みやすく、親しみやすい紙面にするために、かねてから読者の方々の要望が多かった文字の大型化に踏み切りました。
- 全頭検査見直し納得できない
- 厚労省と農水省が9月21日に、都内で開いたBSE対策に関する意見交換会でも、全頭検査の継続を求める声が相次ぎました。
- 自給率の目標(農水省企画部会)ようやく議論
- 農水省の食料・農業・農村政策審議会の企画部会(生源寺眞一部会長)は16日、食料自給率の目標について、ようやく議論を始めました。
- 米価暴落で緊急米対策会議
- 農民連とふるさとネットは9月17日、東京で緊急米対策会議を開きました。この会議の目的は、米価の歯止めない暴落に対して、政府に緊急対策を迫る運動を草の根から広げること、そして農民連と米屋・米卸が共同して進める「準産直米」を飛躍させること。19道県から50人が参加して活発に討論しました。
- 被災農家が頑張れる助成策を
- 青森県農民連は17日、農水省の金田英行副大臣に「連続する台風被害およびりんご被害の対策」を要請しました。日本共産党の高橋千鶴子衆院議員、大門みきし参院議員が同席しました。台風18号による暴風雨で、リンゴ被害は139億円余りにおよびました。
- この目で見たベトナム農業
- 視察団は、メコン・デルタ地帯にある米農家を訪問しました。
- アメリカ産牛肉の輸入禁止継続署名
- BSE国内対策の見直しを進めている内閣府食品安全委員会のプリオン専門調査会が、牛の全頭検査から「生後20カ月以下の若い牛の除外を容認」する報告書を提出し、アメリカ産牛肉の輸入解禁の動きが強まっています。
- 水田とそこで働く姿50数点
- 国際コメ年を記念した「アジアの稲作写真展」が9月3日から15日まで、東京・UN(国連)ハウスのギャラリーで開かれました。
- 山形おきたま産直センター 秋の大収穫祭
- 山形おきたま産直センター「第4回秋の大収穫祭」が9月11日、山形県南陽市で開かれ、多数の青年を含む140人が集いました。
- 西東京・米研ドタバタ奮戦記
- 「ものを作ってこそ米屋」「田んぼをイメージできる販売を目指す」との心意気で始まった西東京米研の米屋さんによる米づくり。9月20日、いよいよ稲刈りの日を迎えました。
- 旬の味
- この頃、浅間山がよく噴火する。噴煙は西北の風に流されて、佐久にはめったに降灰しない。だが今度は、軽井沢や御代田に降って、軽井沢の小学校の運動会が中止になった
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