「農民」記事データベース20041018-656-16

この目で見たベトナム農業

視察リポート(4)


早くから技術者育成に力

 視察団の一行は、ホーチミン市内にある農業専門学校を訪問しました。夏休み中でしたが、校長以下十人の先生方と、額縁に入ったホーチミンの微笑む写真が迎えてくれました。この学校は、技術的な実践者をいち早く育成し、農村社会の発展に貢献するために、ベトナムが解放された翌年一九七六年に設立されました。二年制の職業専門学校で十三の学部があり、教員数は四十五人。生徒は十八歳から四十歳まで、約二千五百人が学んでいます。このうち男性が六五%、女性が三五%の比率です。

 教員会議室に案内され、校長先生は開口一番、「みなさんを心から歓迎します。せっかく遠くからきたお客様です。優秀な技術者を用意しました。何でも質問してください」と切り出し、私たちは二時間余り熱心に懇談しました。(写真〈写真はありません〉

 「この地域での課題は?」との質問に、「言い切れないほどあるが、一番は品種が不足していること」をあげました。「ドイモイ政策で学校はどう変わったか」との問いには、「以前は個性が発揮できなかったが、各家庭まで個人の力を発揮し、それを支援できるようになった。その結果、活気が生まれている」という答え。また、日本との交流を通じて、優秀な技術援助と「中古でもいいから農機具などの機械を提供してほしい」との要望も出されました。

 いまから三十年前、ベトナム反戦集会やデモに参加した一人として、ベトナム農業・農村の発展を願う先生方の熱意に、胸が一杯になりました。

(つづく)

(新聞「農民」2004.10.18付)
ライン

2004年10月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2004, 農民運動全国連合会