この目で見たベトナム農業視察リポート(3)
米価安く工場へ働きに出るベトナムでは、農家が生産した米は、市場を通じて販売されます。米の市場価格は、トラクターなどの機械、農薬や肥料といった生産コストがかかるわりには高くないため、ドンメイ村のチャン・ティ・ウさん(写真〈写真はありません〉)は、農閑期に近くの塩工場で働いているそうです。去年の市場価格は、一キロ当たり千七百ドン、今年は二千ドンでした。一ドルで五百ミリリットルのミネラルウォーターが四本買えました。一ドルは、約一万五千ドンですから、一本のミネラルウォーターの値段は約三千八百ドン。米一キロの値段は、ミネラルウォーターの半分ちょっとという水準です。物価水準が違うので、日本と単純に比べられませんが、地元通訳のクンさんは「ベトナムで一番高いのが電気製品、一番安いのが米」と言っていましたから、生産者にとってはかなり大変なようでした。 ウさんに、これからの米づくりについて尋ねると、「子どもには農業をやらせたくない。もっと楽な仕事をさせたい」「プランがバラバラではっきりしていない」など、かなり悲観していました。
(新聞「農民」2004.10.11付)
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[2004年10月]
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