BSE対策「全頭検査の継続を」岩手、宮崎県議会など決議
厚労省と農水省は、二十カ月齢以下の牛を全頭検査の対象から除外するなどBSE対策の見直しを、食品安全委員会に諮問しました。これは、「全頭検査の堅持」を求める圧倒的な国民世論を無視した暴挙です。アメリカ産牛肉の輸入再開を、食の安全対策よりも優先する小泉内閣。しかしその一方で、自治体の首長や議会から「独自に全頭検査を継続する」との発言や決議が相次いでおり、小泉悪政と国民の対決という構図がいっそう鮮明になっています。
岩手県の増田寛也知事は十月一日、岩手県議会で「国が若齢牛の検査を取りやめた場合でも、本県では当分の間、現在の検査体制を継続する」と述べました。また、同議会は六日、県消団連が提出した「BSEの全頭検査継続を国に求め、安全の検証がないままの米国産牛の輸入開始に反対する」請願を採択。遠野市議会でも同様の請願が可決されています。 これに先立って岩手県農民連は県に対して、(1)日本と同水準の全頭検査や特定部位の除去等がない限り、アメリカ産牛肉の輸入禁止を継続するよう国に求めること(2)県としても独自に引き続きBSE全頭検査を維持すること―を要請。その際、農林水産部長は「基本的に同じ考え」と回答しました。県農民連はさらに県・市町村へ働きかけていく考えです。 (岩手県農民連 岡田現三)
宮崎県議会は九月三十日、「BSE全頭検査体制の維持に関する決議」を採択しました。 決議は「全頭検査を実施すること…により、国産牛肉に対する安全性と信頼性が大幅に回復されてきた」と指摘。「仮に全頭検査体制が見直されることになれば、消費者を中心に、再び国産牛肉の安全性に対する不安が再燃し…本県畜産農家は大きな打撃を受けることになる」として、「本県が独自で全頭検査体制を維持・継続していくこと」を強く求めています。 宮崎県農民連は九月初旬、県に「政府が政策転換を行っても、従来の検査態勢を継続すること」などを要請。県連の執行委員で、肉牛農家の小倉光彦さん(50)は「見直す理由はない。かりにアメリカが輸入再開をゴリ押ししても、全頭検査がしっかりしていれば消費者は、安心な国産を選ぶはず」と話しています。
(新聞「農民」2004.10.18付)
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[2004年10月]
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