「農民」記事データベース20041004-654-04

「達成は困難」の理由示さず

自給率の目標(農水省企画部会)ようやく議論

政府の責任も明らかにせず


向上へ国民の声巻き起こそう

 農水省の食料・農業・農村政策審議会の企画部会(生源寺眞一部会長)は十六日、食料自給率の目標について、ようやく議論を始めました。

 農水省はこの中で、「二〇一〇年度までにカロリーベースで四五%にする」との現行目標について、「達成は困難」と説明。達成時期を先送りして、二〇一五年度とする考えを示しました。

 これは、掲げた目標をやり遂げられなかった政府の結果責任を葬り去ろうとするもので、断じて許せません。この際、なぜ「達成が困難」になったのか、徹底した分析と政府の責任をはっきりさせることが必要です。

 ところが企画部会ではこの日、なぜ「達成が困難」になったのか、その根本には輸入自由化の促進と価格支持制度の廃止があったという本格的な検証はなんらされず、「カロリーベースの自給率表示は、問題」とか、「若者に朝食をどう食べさせるか」などといった議論に終始しました。

 そもそも食料自給率の論議をここまで遅らせてきた理由は、七月の参議院選挙を前にして「達成は困難」とはとても言えないという政府・与党の党利党略的な事情です。

 生産者側の委員から、「『なぜ自給率の議論をしないのか』と農家から詰められた」との意見が出され、「自給率の議論を今回で終わりにしないでほしい」との要望に、生源寺部会長は「事あるごとに議論したい」と答えざるをえませんでした。

 食健連が提起している秋のグリーンウエーブ行動で、「食料自給率向上署名」を百万の目標にふさわしく集め、国民的な議論を巻き起こしていくことが、ますます重要になっています。

(新聞「農民」2004.10.4付)
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2004年10月

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