「農民」記事データベース20041004-654-12

旬の味


 この頃、浅間山がよく噴火する。噴煙は西北の風に流されて、佐久にはめったに降灰しない。だが今度は、軽井沢や御代田に降って、軽井沢の小学校の運動会が中止になった▼迷信だと思っても、イヤな思い出がある。六十数年前、中国侵略が拡大して太平洋戦争が起こる少し前の頃、爆発で噴煙が西に流れたことがある。「こういう時は戦争が起こるそうだ」▼今度の噴火で、誰いうとなくそんな迷信じみた言い伝えが聞こえた。非科学的な話だが、二十数年前にもっと大きな爆発があった時は、誰もそういう話をしなかった▼ここに庶民のなかに潜む、最近の平和への危惧が表れているのではなかろうか。九条を守る草の根をここに思う▼戦争を語るとき、自分がひどい目に遭ったことだけでなく、アジアの人々の声を聞き、他国を侵略したことをもっと語ろう。でないと、九条を守ることが、単に戦争にとられないためとしか思われないのでは?▼「もうだまされはせぬ顔でばばが瓜刻む」(一石路句集)

(節)

(新聞「農民」2004.10.4付)
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2004年10月

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