生産者、消費者が手をつないで

梨山でコンサート

奈良・大阿太高原を会場に

　奈良県大淀町の大阿太高原では、約六十軒の農家が二十世紀梨をはじめ、豊水、幸水など多品種の梨を栽培しています。出荷も一息ついた九月二十六日の夕べ、収穫祭を兼ねて「大阿太高原・梨山コンサート」が開かれました。

　児童文学者・花岡大学の歌碑の横にある山口隆弘さんの柿畑には、吉野特産の「磨き丸太」と竹で組んだステージが設けられ、柿の木に沿って並べられたいくつもの手作りの灯りが会場の雰囲気を盛り上げます。

　「大淀小町」や「梨山兄弟」といった地元のアマチュア・バンドのすがすがしい演奏のあと、ニュージーランドやスイス、中国と世界を舞台に活躍する日本屈指のレゲエ・ミュージシャン「ＫＡＪＡ」さん率いる「スマイル」が登場。オリジナル曲や「上を向いて歩こう」「花」など、見事な演奏と魅力的なハスキーボイスで堪能させてくれました。

　観客は、子どもからお年寄り、野良着のままかけつけた農家、遠方から車でやってきた若者など二百人余り。実行委員会手作りの梨クレープや豚まん、収穫したばかりの梨をほうばりながら、手拍子・足拍子、いつしか会場が一つになっていました。

　果樹組合は梨の収穫・出荷と忙しい時期でしたが、力をあわせてコンサートを準備してきました。その中心になってきた中元悦子さんは、隣の五条市で開かれた「ＫＡＪＡ」さんの小さなコンサートに出会い、音楽に魅了されて、ぜひ大阿太高原の梨山を生産者と消費者の出会いの場にしたいという熱い思いでがんばってきました。

　参加者は、「本当によかったよ。感動したよ」「歌を聴いて心がふわ〜っと軽くなったようやねん」「畑の中のコンサートって素敵やね。おいしい料理もいただけたし」と、大満足の笑顔でした。