「公正・的確な検査」は公的検査のいのち(1)信頼される農民連の検査確立のために
毎年、毎日が真剣勝負米をはじめ農産物の検査制度が、来年度から完全民営化されます。農産物検査はこれまで、国という公的機関が「全国一律の規格・基準」で「公正、的確」に行うことで、現物を見ないでも取引できる仕組みを支えてきました。加えて、「公正・円滑な流通」と「品質改善」を助長してきたともいえます。民営化されても、こうした検査そのものの役割は変わりません。むしろ、国が、米の需給や価格に対する責任を放棄し、市場原理のもとで大手主導の流通・価格形成が進むなかで、これまで以上に検査の役割は重要になっていると言えます。 農民連は、検査制度の民営化に備えて、都道府県連・単組ごとに自前の検査員を養成し、検査機関を立ち上げてきました。そして、「農民連ふるさとネットワーク」がとりくむ“作る農家の顔が見えるお米”「準産直米」を、米屋さんが安心して扱えるように、各地の検査員が奮闘しています。 しかし、農産物は生き物であり、その年その年の気象条件などによって同じ銘柄でも品質に違いが出てきます。変な言い方ですが、「毎年、毎日が真剣勝負」です。 日ごろの鑑定技術の研さんや習熟が大切なことは言うまでもありませんが、私は十数年間、検査技術を指導する立場にあり、また消費地の食糧事務所に勤務していたことからクレームの問題に関わる機会もあったので、そうした経験から検査に当たって大事だと思ういくつかの点を次号から述べたいと思います。 これを機会に、「農民連の米検査は安心だ」と言われるような信頼をえられるように、意見交換などができればと思います。 ((財)大阪農業振興協会検査員 佐保庚生=元大阪食糧事務所業務管理官)
(新聞「農民」2004.10.25付)
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[2004年10月]
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