「農民」記事データベース20041004-654-01

農民連・食健連 9・17緊急中央行動

国内のBSE全頭検査の堅持を
米国産牛肉輸入禁止を継続せよ

強まるアメリカの圧力 世論をさらに大きく

 小泉首相は九月二十一日、BSE発生で止まっているアメリカ産牛肉の輸入について、日米首脳会談で、ブッシュ大統領と早期に再開することで合意しました。これは、「安全・安心な牛肉を食べたい」という消費者の声を踏みにじるものです。

 農民連と食健連は、首脳会談に先立って九月十七日、国内のBSE全頭検査を堅持し、安全対策が未確立のアメリカ産牛肉の輸入禁止を継続するよう求める緊急要請を、農水、厚労の両省と、内閣府に対して行うとともに、農水省前で要請集会を開催。百二十人が参加して、「政府は全頭検査を続けろ」「アメリカ産牛肉は輸入するな」の声を響かせました。

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 政府要請行動

 農民連と食健連の代表は、農水省、厚労省に、大統領選挙をまじかに控えたブッシュ大統領との首脳会談で、小泉首相が牛肉の輸入再開を勝手に約束することがないよう要請。これに対して両省の担当者は、「輸入再開の話は聞いていない。頭越しに決まれば大変なこと」などと回答。要請参加者は、「首相は、自衛隊のイラク国連軍への参加など、国民に無断でアメリカと合意した実績がある。勝手に輸入を決めないと言えるのか」とさらに政府の姿勢をただしました。

 報道によれば、輸入再開の具体的な条件は、事務レベルで協議することで一致したとのこと。アメリカ大統領選挙が迫るにつれて、これから、ますます輸入解禁圧力が強まることが予想されます。それだけに、アメリカの要求に従うのではなく、全頭検査を堅持し、輸入禁止の継続を求める世論を、さらに大きく広げる必要があります。

 全頭検査をめぐっては、内閣府の食品安全委員会が、「二十カ月齢以下の牛の感染検出は困難」という中間とりまとめを作成。これに基づいて二十カ月齢以下の牛を検査から除外する、全頭検査の緩和が検討されていると報道されています。 

 参加者は、「報道にあるような全頭検査の見直しなど、アメリカの圧力に屈して行わないよう」農水省に求めました。 

 農水省の担当者は、「輸入再開と国内対策の見直しは関係ない。食品安全委員会の検討は中立で科学的なもので、国内で七%を占める二十カ月齢以下の検査で、感染牛は出ていない」と回答。各地で意見交換会を開いた後、安全対策を見直すことを明らかにし、全頭検査の堅持を約束しませんでした。

 農水省前集会

 要請後の集会で、農民連の佐々木健三会長は、「国内で二十カ月齢以下は七%だが、アメリカでは八割を超える。歯による月齢判断の誤差六カ月を含めると、アメリカ産牛肉のほとんどが、検査なしで輸入できるようになる。検査見直しで得をするのはアメリカだ」と強調。「政府は、科学的とか、アメリカと関係ないと言うが、全頭検査見直しがアメリカの圧力というのは明らか。全頭検査を継続しろ! アメリカ産牛肉の輸入は再開するな! の声を大きく広げよう」と訴えました。

 この行動には、青森や宮崎からも代表が参加。朝八時に家を出て、京都からかけつけた新日本婦人の会の松岡紀美さんは、「アメリカ産では、暮らしの安全は守れないと学習し、京都府全体で五千筆の署名を一週間で集めた。アメリカいいなりの現状を知らせる学習活動に、これからも取り組む」と発言しました。

(新聞「農民」2004.10.4付)
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2004年10月

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