「農民」記事データベース20041018-656-08

愛媛

直売所繁盛で町に活気

高齢者、女性が主役「生きる励ましに…」

関連/開店前から行列「百姓百品の店」
  /地域農業振興の力に


地域農業振興の力に

若者や専業農家も次つぎ参加

 内子町

 内子フレッシュパーク「からり」直売所もまた、多くの農家が農業に誇りを持つようになり、当初は高齢者や女性が中心でしたが、いまでは専業農家や若者の出荷者も増加し、農業を継がせたいと思っている農家も増えています。この町にある農民組合(上田輝国組合長)も設立当初からかかわり、「からり」の発展を支えてきました。

 町内の三百七十人が出荷

 「からり」は、「内の子市場」として開業して今年で十年目、七十四人の農家が集まってスタートしました。昨年の販売額は四億円を超え、四十二万人が訪れました。九月二十三日の祝日には、約三千人が訪れ、一日で四百万円を超える売上げ。いま、内子町内の約三百七十人が、野菜や果物、ドライフラワーや加工品などを直売所に出荷しています。全国的にも先進の「からり」は、マスコミにも何度となく取り上げられてきました。

 いま「からり」では、より安全・安心な商品を消費者に届けようと、来年一月から野菜と果物の生産履歴(トレーサビリティ)を導入します。どういう肥料を使っているのか、どういう農薬を何回散布したのか、除草剤や土壌消毒の有無などが、パソコンの操作で明らかになります。これは、「からり」が内子産のものしか扱わないというこだわりを追求しているからです。

 「売れさえすればいい」でなく

 もう一つの特徴として情報化=「からりネット」があります。情報センターから各出荷農家にファックスや携帯電話、メールなどで販売データが分析されて送られ、出荷農家はこれにもとづいて、いつ出荷するか、どれくらい出荷するか、いくらの価格をつけるかを自己責任で決めていくのです。情報が生産現場に反映され、「売れる商品」を作り、「売れる方法」が考えられているのです。

 「からり」運営協議会の会長をつとめる野田文子さんは、ここまで「からり」が発展した理由のひとつが、「自分たちで自分の地域を守っていこう」という強い意志があったこと。そして、「『売れさえすればいい』というのではなく、農家を中心に『地域の農業をまもっていこう』という思いが崩れたら、この直売所は成り立たない」―そう話しています。

(新聞「農民」2004.10.18付)
ライン

2004年10月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2004, 農民運動全国連合会