演劇劇団昴公演 チェーホフ的気分東京・千石・三百人劇場
チェーホフの真実の姿書簡をもとにリアルに「かもめ」「ワーニヤ伯父さん」「桜の園」「三人姉妹」などの作品で親しまれているロシアの劇作家アントン・チェーホフ。ことし没後百年の年にあたり新たな関心がひろがっています。劇団昴が上演する「チェーホフ的気分」は、チェーホフをよく知る作家のユーリー・ブイチコフが人間・チェーホフの実像に迫った戯曲です。一八九〇年から一九〇一年までのチェーホフの姿が、書簡をもとに構成されています。登場人物は、チェーホフはもちろんのこと、彼の妹、友人の出版人、文学上の弟子、女流作家、妹の友人、そして妻となる女優。これまで明らかにされなかった書簡など最新の資料を織り込みながら、単なる伝記劇におちいることなく展開されていくユーモアとウィットのあふれる会話は、秘せられたチェーホフの私生活の輪郭を鮮明にしています。中本信幸の翻訳で上演。 演出の菊池准さんは「ブイチコフの戯曲は、書簡で交わされた言葉を台詞で交わすことから、チェーホフの文学に描かれた『あるがままの生活』やうそでないものが明らかにされていきます。主題は、近代演劇の幕開けともなった『かもめ』が、どのようにして成立していったのかに置かれています。この経緯を追うことは、今後チェーホフの戯曲をどう読み解くかのカギになるはずです」といいます。 演出の特徴のひとつは、戯曲にはほとんどト書き(人物の動きをしめす記述)がないため、ほぼ全員を舞台上にいることにしていることです。けいこ場をみたブイチコフさんも「素晴らしい!ぜひロシアに公演にきてほしい」と絶賛したとのことです。 出演はチェーホフに牛山茂、出版人に小山武宏、五人の女性に日野由利加、相沢恵子、高山佳音里、松谷彼哉、米倉紀之子という顔ぶれです。視覚障害者には音声ガイドが付きます。 (鈴木太郎)
*10月21日〜11月3日(月曜・休演)、東京・千石・三百人劇場。連絡先=劇団昴 電話03(3944)5451 (新聞「農民」2004.10.18付)
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[2004年10月]
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