2004年5月
■2004年5月31日(第637号)
- 黒毛牛の受精卵供給に一役
- 全国的に農業高校の統廃合が進んでいます。原因は、国の農業つぶしと都道府県の財政難など。しかし、地域や教職員の努力のなかで、農業の後継者を育てるとともに、地域農業に一役買っている、すばらしい取り組みを行っている農業高校がいくつもあります。
- 「国際コメ年」と食糧自給率向上運動を草の根から広げ、全国ネットワークづくりと新聞「農民」読者、会員拡大を大きく前進させよう
- 農民連は5月17、18日、第11回常任委員会を開催。その決定を踏まえた「よびかけ」を発表しました。(決定の全文は都道府県連に送付)
- 農業委の役割を低下
- 農業委員会法と農業改良助長法の改悪案が、5月19日、参議院本会議で審議・採決され、日本共産党だけが反対、自民、公明の与党のほか、民主、社民も賛成して、可決しました。
- 「小学校栄養教諭法」成立で要望
- 小学校の栄養職員を栄養教諭にするという「学校教育法の一部を改正する法律案」が14日、参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました。これに先立つ参院文部科学委員会で「いのちをはぐくむ全国学校給食研究会」代表の雨宮正子さんが意見陳述。雨宮さんは同法に賛成しつつ、栄養教諭の全校配置が義務づけられていないことや、輸入食材の多用、文部省からの合理化通達による民間委託の増加など改善すべき点を要望。
- アジア中で食糧主権が侵されている
- 「アジア中で国家と民衆の食糧主権が侵害されている。農業国と工業国、農地改革が終わった国と実施されていない国という違いはあるが、WTOの新自由主義的政策のもとで、アジア中の農民は同じ問題に直面している」――世界的な農民運動組織、ビア・カンペシーナは東南・東アジア会議を5月5日から7日までインドネシアで開き、こういう認識を共有するとともに、運動と希望をグローバル化することを呼びかけました。
- 国連でも採択された「食糧主権」の考え方 》上《
- 国連は、4月の人権委員会で、「食糧主権」が、重要な人権としての「食糧に対する権利」や食糧安全保障と密接な関連をもっていると確認する報告書を採択。この採決に日本政府も賛成したことが明らかになり、注目されます。
- 消費税大増税(1/2)/(2/2)
- 年金改悪法案を衆院で強行した自公・小泉政権と、これに手を貸した民主党。しかし国民生活への攻撃は年金だけにとどまりません。自公民が結んだ「3党合意」は消費税の大増税に道を開くもの。七月の参院選はこうした国民の暮らしを破壊する悪政に審判を下す絶好の機会です。
- 読者からのお便り
- 国際シンポの成功おめでとう/国際シンポ読み決意を新たに/年金改悪案の強行許せない/これからは草とのたたかい/人質の3人に自己責任とは/「旬の味」欄を読むのが楽しみ
- フキの畑で/戦前の厳しい闘争2人の遺族が語る
- すてきだなと思いながら、写真を撮りました。「結婚式以来だよ。2人で撮るのは」と、はにかみながら夫婦で並んでくれたのは、数えで90歳になる前野茂さんと伊和さん(88)です。
- 演劇
/文学座「パレードを待ちながら」
- 今年は「カナダと日本の外交関係75周年」という記念の年。その記念すべき年に文学座はカナダ現代演劇をリードする劇作家ジョン・マレルの代表作「パレードを待ちながら」(訳・吉原豊司)を上演します。
- 『きくまの民話と伝説』
- タヌキがな、堤燈(ちょうちん)つけて、づーっとあそこの、マイジョ(西海岸のあたり)の境をな。
- 街で人気 米の調理販売
- 政府は「米改革」で米流通にかかわる規制を全面的に撤廃。大手米卸と量販店の大型流通が進んでいます。こうしたなか、産地と直結し、地域に根ざしてがんばる街の米屋さん。その取り組みや、農民連への期待など、元気な街の米屋さんの姿を隔週で紹介します。
- 米屋さんが田植に集まった
- 「生産者の気持ちや、田んぼの香りをお米に添えて届けたい」と、街の米屋さんが田んぼに集まりました。農民連の準産直米を扱う西東京米研のメンバーです。「米研村」と名づけられた千葉県酒々井町の10アールの田んぼで、5月5日、田植えが行われました。
- 分析センターだより/いろいろな生きた声がセンターを支える力に
- 分析センターは、今年5月22日で8歳になりました。大きな期待と限られた機材でスタートしたセンターも、今では分析施設として十分な能力を備えるまでになりました。
- キューバ紀行(5)
- 「農民連のみなさんと行くキューバの旅」というツアー名を見て、行ってみたいと思いました。農業の人と話ができて、その上もう一度行きたかったキューバに行ける。一石二鳥だと思ったのです。
- 大地のあったかさ、生命のぬくもり感じたよ
- 「ドキュメント04 盲目のシンガーソングファーマー」(日本テレビ系)が16日深夜、放送されました。くも膜下出血で失明した茨城県西農民センター会長の北嶋誠さんをとりまく人間愛がテーマです。視聴した茨城県大宮町の松浦千佳子さんに感想と詩(別項)を寄せてもらいました。
- 豆腐作りに新婦人が挑戦
- 福岡・新婦人浮羽支部は、みのう農民組合と手をつないで、大豆畑トラストに加入し、産直運動を通じて活性化を図ろうとしています。5月8日、地元の大豆を使った豆腐を食べようという会を催し、浮羽町の組合員さんの家に5人が集まり、300グラムの大豆を3袋準備して、豆腐作りに挑戦しました。
- 農民連お薦めの宿・食事処
- 農業と農村の豊かさを満喫・体感できるグリーンツーリズム。夏休みに向けて、各地の農民連おすすめの宿・食事処の情報を大募集します。ぜひ編集部までおよせください。地場産農産物を堪能させてくれる、農業体験できる、農家が営むなどなど、自薦・他薦は問いません。紙上で楽しく紹介します。
- この人/農民連食品分析センター 仲前 聡さん(25)
- 京都府立大学の大学院在学中は、食品安全性学研究室で化学物質の毒性について研究。この春卒業し、4月から分析センターで働き始めました。
- 旬の味
- 年金改悪を国民に押しつける与党や民主党議員の未納問題には頭にきた。ろくなことしないで国民からお金をまきあげることばかり考えている。介護保険だ、年金だ、消費税だと負担を押しつけてくる
■2004年5月24日(第636号)
- 加工すればなんでも売り物になります/わが家自慢の加工品紙上で交流しませんか
- 「丹精して育てたのだから、少しでも高く売りたい」というのは、農家みんなの願いです。千葉県北総農民センターの女性部では「加工すれば何でも売れる!」を合言葉に、楽しく、賢く、農産加工に取り組んでいます。北総農民センター職員の鵜澤栄子さんと一緒に、女性部加工部会長の香取芳乃さんの加工所(佐原市)を訪ねました。
- モンサント社が開発断念/第75回メーデー
- アメリカの多国籍バイオ企業のモンサント社が5月9日、遺伝子組み換え除草剤耐性小麦の開発を中止すると発表しました。
- 国会だより/衆院委 全会一致で可決
- 衆議院農水委員会は4月27日、政府が国会に提出した家畜伝染病予防法案を全会派賛成で可決しました。
- ますます強まる中央集権
- 農業委員会制度の改悪とならんで、今国会には農協法の一部「改正」案が提案されています。
- 固定資産税チェックよびかけ
- 奈良県農民連は4月17日、全国連の山口和男固定資産税・都市農業対策部長(大阪府連書記長)を招き、斑鳩町で固定資産税の学習会を開きました。これは、大阪に近く、宅地化が進む県北地域の会員の「固定資産税が高すぎる」という声に応えたもので、20人が参加。固定資産税の仕組みや、正当に課税されているかどうかを確認する方法について学びました。
- アツミ産直センター、新城農民連も出店/青学連が農作業体験
- 「元気に世直し!」を掛け声に、東三河労働組合総連合主催の「04春フェスタ」が4月25日、愛知県豊橋市の豊橋公園で開催されました。当日は、寒の戻りの肌寒い天候にもかかわらず、7000人が集まり大盛況でした。
- 佐久楽農倶楽部通信
- 佐久楽農倶楽部の活動は一様ではない。一人ひとりの会員をつぶさに見ると実に様々だ。
- キューバ紀行(4)
- キューバ農務省の玄関を右に入った図書室。ここがユアン・ホセ・レオン・ベガ国際部長との会見の場となった。「本当は18階の私の会議室を用意したが、エレベーターが故障です」と、笑って迎えてくれた。
- 本の紹介/長瀬道隆写真集「農の心―農村景観日本一の里に生きる」
- 岐阜県の東南部にある岩村町は、国土問題研究会から農村景観日本一の折り紙を、また日本の美しいむら景観コンテストの集落部門で、農水大臣賞を受けた地域。
- 核兵器なくせ!04国民平和大行進/東京大商工フェア大盛況
- 「核兵器なくせ! 戦争反対! みんなの力で世界を変えよう! 8月の広島・長崎に向けてともに歩こう!」
- “安心して食べたい”
- 第29回埼玉母親大会が4月25日、春日部市で開かれ、1200人が参加しました。
- 旬の味
- 庄内平野の田んぼに苗の緑が映える。田植えの最盛期だ。「さなぶり(田植え後の慰労会)はいづするや?」。田植えが始まるともう、百姓たちからはその言葉が出る
■2004年5月17日(第635号)
- 年金大改悪大反対だ
- 小泉内閣は4月28日、年金の給付額を削減し、保険料を値上げする年金改悪法案の委員会採決を強行しました。こうしたなか、年金をめぐる農家の思いを聞きました。
- 年金改革法案の強行採決に抗議する。廃案めざしさらにたたかいを広げよう
- 一、小泉内閣、自民党、公明党は、4月28日、衆院厚生労働委員会で年金改悪法案を強行採決した。農民連は、この暴挙に満身の怒りをこめて抗議するとともに、国会のルールを無視した採決は無効であり、ただちに委員会に差し戻すことを要求する。
- 準産直米 関心高く魅力も感じる
- 宮崎県連は、執行委員会で準産直米の目標を1000俵(超早場米500俵、普通作米500俵)に決め、米アンケートで関心の高かった班への説明会を順次開催しています。
- 国際シンポ/国民に背向けたFTA反対へ共同して闘争に立ち上がろう
- 国際シンポジウムで、FTA(自由貿易協定)に対する共同のたたかいを呼びかけたメキシコのスアレスさん。分散会ではさらに突っ込んだ話し合いが行われました。
- おらあ、このビラにほれちやつたよ
- 長野県小諸市に、新聞「農民」号外の配布に燃えている人がいます。掛川寿夫さん(72)です。
- 04年全国研究交流集会/各地からの報告
- 福島県農民連は、農民連というラベル、安心・高品質というレベル、これを大切にして準産直米の飛躍と新婦人産直の拡大にとりくんでいます。
- 小さくても誇りもち 輝く自治体づくりへ
- 全国23人の町村長が呼びかけて、第3回「小さくても輝く自治体フォーラム」が、4月24、25の両日、長野県原村で開かれました。このフォーラムには、北海道から沖縄まで125自治体から、34人の市町村長を含む520人が参加しました。
- 遺伝子組み換え技術を検証/トマト栽培で学習会を開く
- 遺伝子組み換え食品などの情報を、市民の立場で収集・分析している「市民バイオテクノロジー情報室」(代表・天笠啓祐さん)の3周年を記念して、「遺伝子組み換え技術の“いま”を検証する」シンポジウムが、4月24日、都内で開かれました。
- 04年 わが家の米作りと田んぼ
- 私が保温折衷苗代のように田んぼで育苗をするようになって6年。成苗植えにしたいとの思いから、10年ほど前から播種も自分でするようになりました。発芽装置を持たないので最初はハウスを利用していましたが、思い切って、田んぼでの育苗に切り換えました。
- 映画/米作り通し青年の成長描く
- 「山形の風土の美しさ、置賜の豊かさ、そこに住む人たちの心の優しさ」がこの映画を生み出してくれた―斎藤耕一監督は、米作りを通して、若者の精神的な成長を描き出しています。
- 菜の花まつり 盛大に500人/菜の花サミットinいばらき
- 抜けるような青空のもと「第6回菜の花まつり」が4月29日、茨城県結城市で開かれました。
- みんなで知恵だしあった手作り青きな粉
- 例年になく雪解けの早い山形県朝日村で4月、組合員4人が遠藤重輔さんの作業場に集まって、青きな粉づくりをしました。
- 旬の味
- 先日、地元紙編集部から届いたブックレット『食卓の向こう側』第一弾をぜひ紹介したい
■2004年5月3日(第634号)
- 日本の運動と食・農村を堪能
- 食糧主権とWTOに関する国際シンポジウムに参加したニール・リッチーさんは8日、千葉・多古町旬の味産直センターを、ヘンリー・サラギさんは12〜13日に千葉・房総食料センターを訪問。さらに11日には、そろって農民連食品分析センターを見学しました。メキシコのビクトル・スアレスさんはあいにくトンボ帰りでしたが、リッチー、サラギ両氏の目に映った日本の運動と食、農村とは――。
- みんなの力で「農民連ふるさとネットワーク」を立ち上げよう!
- 今夏の「農民連ふるさとネットワーク」(仮称)立ち上げに向けて、農民運動全国連合会(農民連)と産直運動全国協議会(産直協)は、呼びかけ案を発表しました。全文を紹介します。
- 4・15スト 消費税率アップ反対、財務省前行動も/年金改悪法案を廃案に
- 国民春闘共闘委員会が呼びかけた「4・15年金ストライキ」は、全国100万人を超える人たちが行動に参加し、大きな盛り上がりを示しました。
- 農業委員会をつぶすな/国際シンポ参加者の感想
- 衆議院農水委員会は21日、農業委員会法案の審議・採決を行い、日本共産党だけが反対、自民・公明の与党のほかに、民主、社民も賛成して、衆議院を通過しました。
- 演劇/前進座・5月国立劇場公演「裙模様沖津白浪―奴の小万」の通し
- 前進座の5月国立劇場公演は、毎年の恒例で、大作の通しや復活、名作の上演で話題になっています。ことしは鶴屋南北の「裙模様沖津白浪(つまもようおきつしらなみ)―奴の小万」の通しと舞踊「供奴(ともやっこ)」を上演します。
- 本の紹介/大原穣子・監修『おくにことばで憲法を』
- この本は、日本国憲法の前文と9条を、青森から沖縄まで全国9つのおくにことば(方言)でまとめたもの。そして、そのおくにことばをCDで聴くことができます。
- 花・花・花
- 梅が終わり、モクレン、桜と続きます。樹下ではユリワサビの花、アケビの新芽が…。やがて、タチツボスミレと続きます。
- 読者からのお便り
- 安定した暮らし送れる日本に/読み応えあり読みやすい新聞/サクランボ栽培、管理引き受けて/生きる権利奪う政府案許せない/安全・豊富な食頼もしい農民連
- 旬の味
- 4月になって満開の梅に雪が降り、この分では桜は遅れるかと思ううち、雪が消えるとすぐ満開となった。畑にはチラホラ人がいて「暖かくなりやしたなぁ」というあいさつも半年ぶりだ
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