今年も農と食を考えた菜の花まつり 盛大に500人茨城・結城
抜けるような青空のもと「第六回菜の花まつり」が四月二十九日、茨城県結城市で開かれました(写真〈写真はありません〉)。 県西農民センター会長の北嶋誠さんの失明から援農隊が組織され、自給率が極端に低いナタネを毎年作付して六年目。黄一色の菜の花畑で開かれる「まつり」は、地域の農業と日本の食を考える場として定着しています。 今年も、東京から消費者が大型バスで訪れるなど、約五百人が参加。ステージには、トランペット奏者の松平晃さんや地域で大正琴の講師をしているグループなどが出演し、年々バラエティーに富んだ内容に。子どもたちは、菜の花を摘んだり、鶏を抱いたり、ベーゴマや宝探しゲームを楽しんだり。野菜の直売や模擬店も多数出店して、大人たちは国産ナタネ油で揚げたてんぷらに舌鼓を打ちながら、大いに交流を深めました。
菜の花サミットinいばらき食の安全、環境保全からナタネ栽培が広がる「菜の花栽培を広げ、食とエネルギーの自給を」――。「第四回全国菜の花サミットinいばらき」が四月二十四〜二十五日、茨城県八郷町で開かれ、全国からのべ六百人が参加しました(写真〈写真はありません〉)。 同サミットは、「菜の花プロジェクトネットワーク」が毎年開いているもので、今回は「常陸の国(ひたちのくに)菜の花ネットワーク」が主催。 ナタネを栽培する農家・養蜂家、遺伝子組み換えでない国産ナタネ油を提供する生協、バイオ燃料を活用して環境保全にとりくむNPO法人や自治体の関係者などが、各地のとりくみを交流し、県内のほ場を視察しました。 一面まっ黄色に染まった菜の花畑は、一昔前まで春の風物詩でしたが、今これを見ることができるのはごく限られた地域です。しかし最近になって、食の安全と環境を守る世論の高まりから、菜の花畑を復活させるとりくみが、全国各地で急速に広がっています。 農民連は一九九七年に「おおいにナタネを作ろう! 全国会議」を開催。これをきっかけに、北海道、福島、茨城、福岡などでナタネ栽培が復活し、貴重な国産ナタネ油の原料を供給するとともに、春の菜の花畑は消費者との交流の場になっています。 同サミットでは、環境保全の観点から廃食油を回収して再利用し、幼稚園の送迎バスを運行している滋賀県新旭町、「脱原発の運動をナタネ栽培を通して進めたい」という茨城・東海村の農家、ナタネを原料にしたバイオ燃料の使用を進める静岡トラック協会などが、多彩な活動を報告。茨城県西農民センター会長の北嶋誠さんも、六年前に始まったナタネづくりを紹介し、「地に足がついた地域のとりくみを、ネットワークで結んでさらに広げよう」と呼びかけました。 また、経済評論家の内橋克人氏が基調講演。「作れるのに作らせず、買わせるのはグローバリズムの本質」と指摘し、「菜の花を通じたこうしたとりくみは、小泉内閣の新自由主義改革の対抗勢力になりうる」と期待を表明しました。
(新聞「農民」2004.5.17付)
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[2004年5月]
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