国際シンポ・分散会でのビクトル・スアレス氏の発言国民に背向けたFTA反対へ共同して闘争に立ち上がろう
国際シンポジウムで、FTA(自由貿易協定)に対する共同のたたかいを呼びかけたメキシコのスアレスさん。分散会ではさらに突っ込んだ話し合いが行われました。 戦後、「米を食べるとバカになる」と宣伝し、余剰農産物を日本に押し付けたアメリカ。スアレスさんはメキシコでも同じようなことが行われていると言います。 「『メキシコが貧しいのは、トウモロコシを食べているからだ』と言われてきた。メキシコ人がトウモロコシを食べなくなれば、アメリカや多国籍企業は完全にメキシコの主権、文化を握ることができる。だから彼らはより強いたたかいをしかけてきている」。 メキシコはNAFTA(北米自由貿易協定)によって、主食・トウモロコシの輸入が急増し、「食糧の自給が危機に陥っている」と言います。さらにスアレスさんは、「収入が減った農民の多くは土地を離れ、アメリカに出稼ぎに行っている。アメリカの農場で働き、その生産物はまたメキシコに輸出されている」と悪循環を指摘。 しかしメキシコ政府は日本政府と同じように農業の構造改革を推進し、「七〇%の農民から土地を奪い、一握りの農民に農地を集めようとしている」と告発しました。 さらに話は、日本とメキシコの間で合意されたFTAにもおよび、「この交渉は、政府と多国籍企業が、国民に背を向けて行ったもの」とスアレスさん。アメリカのスミスフィールド社がメキシコの養豚の五〇%を支配していることをあげ、「メキシコの農民に利益はない」とバッサリ。 そのうえで、「まだ両国で国会の承認が終わっていない。それまでに反対の世論をつくることができるのではないか」と提起し、「このたたかいは、農民対農民のたたかいではなく、すべての国の農民が食糧主権をかちとるたたかいだ」と訴えました。
(新聞「農民」2004.5.17付)
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[2004年5月]
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