「農民」記事データベース20040503-634-04

改悪案が衆院通過

農業委員会をつぶすな

自民、公明、民主、社民各党が賛成 共産党だけ反対

関連/国際シンポ参加者の感想


 衆議院農水委員会は二十一日、農業委員会法案の審議・採決を行い、日本共産党だけが反対、自民・公明の与党のほかに、民主、社民も賛成して、衆議院を通過しました。

 参議院では、五月の連休明けにも審議がはじまる予定です。廃案にむけた取り組みをさらに広げましょう。

 日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は、(1)必置面積の算定から生産緑地以外の市街化区域内農地面積を除外することは、都市部を中心に農業委員会の廃止を促進すること、(2)任意業務を、農地および農業経営の合理化に重点化することは、農業委員会を小泉「構造改革」の実施部隊にしようというもの、(3)選挙委員の下限定数を条例に委任することは、選挙委員の役割を低下させ、公選制の廃止に道をひらくもの―と、反対討論を行いました。

改悪案反対の意見書

西東京市議会が採択

 東京の西東京市議会は三月二十九日、農業委員会法の改悪案に反対する意見書を可決しました。東京農民連は、農業委員会のある四十五区市町村すべてに、同法案に反対するよう求める要請書を提出しています。

 農業委員会法は、政令で、北海道で三百六十ヘクタール、都府県では九十ヘクタール以上の農地がある自治体に設置が義務づけられています。改悪案は、この面積の算定から生産緑地以外の市街化区域内農地を除外しようというもの。さらに農水省は政令も改悪して必置基準面積そのものも大幅に引き上げようとしています。

 かりに必置基準が二倍になれば、東京都内で基準面積を上回る自治体は、わずか十二区市町。多くの自治体で農業委員会が廃止される危険があります。東京の農業委員会は、都市農業の基盤である農地を保全し、生産緑地の追加指定の実施や地産地消運動の推進など、東京の農業振興のために重要な役割を果たしてきました。農業委員会が弱体化すれば、東京の農業は壊滅的な打撃を受けることになります。

 食料自給率が四〇%に低下している日本の農業を振興させ、「安心、安全な食べものは地元から」というのは都民の願いです。東京農民連は、農業委員会をはじめ、同法の改悪に反対する共同を広く呼びかけています。

(東京農民連 武山健二郎)


国際シンポ参加者の感想

中筋恵子さん(日本の伝統食を考える会)

 食文化を守るためには、農業はなくてはならないもの。消費者とどのようにつながりを持っているのかなど、海外のパネリストの話を聞くことで、あらためて日本の食文化のすばらしさを確認したい。

荻原康弘さん(茨城県・鯉渕学園学生)

 グローバル化の中、競争ではなく、共存できる農業について考えたいと思い参加しました。外国の農家も日本と変わらない、厳しい生活を強いられていることがわかりました。国連やWTOが農業を重視するようになってほしい。多国籍企業の利益のためではなく、人の生命のための農業にできればいいと思った。

(新聞「農民」2004.5.3付)
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2004年5月

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