「農民」記事データベース20040524-636-12

旬の味


 庄内平野の田んぼに苗の緑が映える。田植えの最盛期だ。「さなぶり(田植え後の慰労会)はいづするや?」。田植えが始まるともう、百姓たちからはその言葉が出る▼苗づくりを失敗せずに一段落。「あとは日和を見て植えるだけ」と、気持ちはすでに酒席に向かっている。昔から米づくりを受け継いできた「百姓の遺伝子」がそうさせるに違いない▼誰かが植え始めると一気に村中が植え始める。そんな中で、今年集落の最後を飾るのはどうやら私らしい。「早ぐ植えれ」と隣人は急かすが、例年より一週間遅く播種して苗を育ててきたので、これは予定のこと。種まき時期に、農民連と食健連主催の国際シンポジウムがあったからだ▼メキシコから参加したパネリストのビクトル・スアレスさんは「メキシコ人はトウモロコシの人」と強調し、トウモロコシで作る主食のトルティヤのこと、固有の食文化のことを紹介してくれた。私たち日本人はさしずめ「お米の人」だ。そのことに自信をもって、米と田んぼを守り、農業つぶしの悪政に立ち向かっていきたい。

(巌)

(新聞「農民」2004.5.24付)
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2004年5月

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