佐久楽農倶楽部通信
真夏のパセリに挑戦佐久楽農倶楽部の活動は一様ではない。一人ひとりの会員をつぶさに見ると実に様々だ。例えば、パセリに取り組む人たちがいる。二、三日後にはいっせいに田植えが始まろうという十二日、パセリを作る会員数人が朝から集まり、育苗を委託した小諸市御牧ケ原の農家へと向かった。 ポット苗は十センチほどに育っていた。リーダー格の同市宮沢の清水汪衛さん(62)が千五百本、東御市の関幸男さん(53)が千本、御代田町の田村勲さん(55)が二千本、小海町の井出一夫さんが千本というように分け合った。 実はこのパセリ、関東のある産直組織から佐久産直センターに依頼があって、昨年から手がけているもの。関東では暑い八、九月にパセリを作れない。かといって取引先は通年で欲しいという。それなら、同じ農民連の産地と提携したほうがいい。真夏の欠品をそのままにしていたら、別の産地に奪われかねないという心配もある。 そのとき産直センターは、楽農倶楽部の全会員に訴えた。「パセリを作る人は集まってくれ」と。はせ参じたのが、清水さんであり、井出さんだったのである。 いわば果樹農家の集まりである産直センターにとって、二百人近い“もの作り集団” である楽農倶楽部があってこそ対応できることがいかに多いことか。 ちなみに顔触れにふれると、清水さんは元郵便局員で、現在、十の集落を束ねる区長会長であり、楽農倶楽部の世話人。井出さんは工房で旋盤を操る兼業農家。田村さんは二年前まで年商二百億円の機械メーカーの取締役。関さんは脱サラで外交の仕事に就きながら農業にも精出している。多士済々である。 (浄)
(新聞「農民」2004.5.24付)
|
[2004年5月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2004, 農民運動全国連合会