演劇前進座・5月国立劇場公演「裙模様沖津白浪―奴の小万」の通し國太郎が初役に挑む
前進座の五月国立劇場公演は、毎年の恒例で、大作の通しや復活、名作の上演で話題になっています。ことしは鶴屋南北の「裙模様沖津白浪(つまもようおきつしらなみ)―奴の小万」の通しと舞踊「供奴(ともやっこ)」を上演します。 「裙模様沖津白浪」は、草双紙(せりふと挿し絵で物語が展開する)として書かれたものが原作。前進座では一九六九年に先代の河原崎国太郎が小万を主演する大幅に短縮した台本で上演。今回はその省かれた場面を復活させました。 浪花の芸者・小万が、お家騒動に巻き込まれた恋人の幸兵衛を助けたいという一念で、自分をかどわかした盗賊の親分を殺し、親分になりかわります。そして、その一味を率いて、幸兵衛が探している奪われたお家の重宝を探すという展開。奇想天外、笑いあり、涙あり、これぞ南北といえる人間ドラマに、国立劇場の舞台機構によるスペクタクルを加えた舞台は、本邦初の本格的な通し上演となります。 女形が主演というのもみどころ。小万は、女伊達(おんなだて)という役柄で、それが、うら若い芸者、女形役者、男装の盗賊首領、三味線の女師匠と変幻自在に変身する難役。六代目河原崎國太郎がむろん初役で挑みます。ほかに中村梅之助、嵐圭史、瀬川菊之丞ら豪華な顔ぶれがそろっています。 國太郎さんは、「六代目を襲名させていただいてから六年が経ちます。先代の役々をひとつづつ受け継ぎたいと願っておりますが、南北の生世話を得意とし、“悪婆ものは国太郎”といわれていたその芸に挑むことはなかなか大変です。今度の役は女伊達で、悪婆とは趣きも異なりますが、先代の古風で退廃的な不思議な色気が必要と感じております。わたくしなりに少しでも先代に近づければと思っているところです」と語ります。 また中村梅雀の「供奴」も国立劇場では初お目見得です。 (鈴木太郎)
*5月13日〜23日、東京・三宅坂・国立劇場。一等席9800円、二等席4000円、三等席2500円。連絡先=劇団 電話0422(49)2811 (新聞「農民」2004.5.3付)
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[2004年5月]
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