遺伝子組み換え技術を検証市民バイオテクノロジー情報室がシンポ
遺伝子組み換え食品などの情報を、市民の立場で収集・分析している「市民バイオテクノロジー情報室」(代表・天笠啓祐さん)の三周年を記念して、「遺伝子組み換え技術の“いま”を検証する」シンポジウムが、四月二十四日、都内で開かれました。 パネリストは四人。東京農工大学名誉教授の元谷勲さんは「遺伝子組み換えによる生態系の攪乱」のテーマで報告。生態系全体を明らかにした研究が現在ではほとんどないことを紹介し、「一部の企業利益のために、遺伝子組み換え技術などによって自然が壊されようとしている。真に民主的な社会が実現されるまでは、研究を凍結すべきだ」と発言しました。 「生活を脅かす新しい感染症」のテーマで報告した元国立感染症研究所主任研究官の新井秀雄さんは、「新興・再興感染症のほとんどが、遺伝子組み換えと何らかの関連が疑われている。たった一つの遺伝子組み換えで強力な毒性をもつ生物兵器を作ることもできる」と発言しました。 また「遺伝子組み換え作物の現状と問題点」を報告した元名古屋大学教員の河田昌東さんは、「遺伝子組み換え技術の本質的な問題は、植物と微生物など、まったくかけ離れた生物の遺伝子を入れて、まったく違う生物を作ること」と指摘。組み換え遺伝子に抗生物質耐性遺伝子を使う危険性や、今の技術では組み換え遺伝子を挿入する場所を特定できないことなどにも触れました。 NHKの科学番組担当ディレクターで解説委員の小出五郎さんは「バイオテクノロジーと人間」というテーマで報告。グローバリゼーションのもとで広がり続ける貧富の差に触れ、「競争して負かすための科学ではなく、共生し、環境を守り、誰もが参加できる“もう一つの科学”“市民の科学”こそ、本当の豊かさにつながる」と述べ、「知識のアンテナを張って行動しよう」と提案しました。
トマト栽培で学習会を開く奈良県農民連奈良県農民連トマト部会が四月二十三日、五條市で「トマト栽培に関する学習会」を開き、十二人が参加しました。講師の奈良県南部農林振興事務所の吉村昭信さんは、県が進める「エコファーマー」や「特別栽培制度」などの安全・安心の野菜栽培について、農薬取締法の改定などに触れながら、「トマト栽培の基本」を話しました。 吉村さんは質問にも答えながら、「高品質・高糖度のトマト作り」「主要な生産障害と対策」などのトマト栽培にかかわる具体的な内容について説明。参加者による活発な論議も行われました。 (奈良農民連南和センター 松尾忠)
(新聞「農民」2004.5.17付)
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[2004年5月]
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