「農民」記事データベース20040517-635-10

映画

米作り通し青年の成長描く


 「山形の風土の美しさ、置賜の豊かさ、そこに住む人たちの心の優しさ」がこの映画を生み出してくれた―斎藤耕一監督は、米作りを通して、若者の精神的な成長を描き出しています。

 東京からバイクに乗って、山形・置賜地方に駆け落ちして来た若いカップル慎二(吉永雄紀)と友美(大貫あんり)。

 そこで、マダム(松原智恵子)や車屋(永島敏行)、頭取(鹿内孝)などのわけありな人たちとともに「大日本生き残り隊」を結成して明るく暮らす農家の主人・篤郎(須貝智郎)と出会います。

 そして、春の田植えから秋の稲刈りへと米作りを通して、人生に悩み、仲間とぶつかり、結婚・出産といった人生のポイントを経験していきます。ある時は厳しく、ある時は楽しく、大自然のメロディーにのせて。

 最後に、自分たちで収穫した米でつくったおにぎりを食べる慎二には、収穫の喜びと同時に、あらたな生命の誕生を迎えた達成感があふれていました。

 映画の中では、「青刈り」するトラクターの前で「やめて!」と叫ぶ友美の姿や、産廃業者による農地の買収の話など、農業・農村や米をめぐる問題も出てきますが、もう少し掘り下げてほしかったように思います。

 上映は、東京・立川シネマシティで5月15日〜28日まで。

 また、各種イベントなどにフィルムの貸出しもしています。

 詳しくは、映画「おにぎり」全国配給委員会まで。

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(新聞「農民」2004.5.17付)
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2004年5月

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