2005年3月
■2005年3月28日(第677号)
- 禁輸継続vs解禁圧力 せめぎあい/3・18ドキュメント
- アメリカ産牛肉の輸入再開問題が、一気に緊迫の度を増しています。アメリカが経済制裁をちらつかせて再開時期の提示を強く迫り、これに呼応して小泉内閣から輸入再開を受け入れかねない発言が相次ぎ、食品安全委員会にも圧力をかけています。こうしたなか、アメリカのライス国務長官が18日に来日。国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)は同日、緊急の要請行動にとりくみ、「全頭検査を継続せよ! 政府はアメリカの圧力に屈するな」の声を響かせました。
- 消費税増税に反対し農業守ろう
- 「増税反対」「憲法改悪阻止」「社会保障の改悪を許すな」――3・13重税反対全国統一行動が3月11日、全国590カ所以上で行われました。中小業者や建設職人、農民・漁民、労働者など約19万5千人が参加。集会やデモ行進、集団申告などにとりくみ、消費税増税をはじめとした庶民大増税を許さず、国民の暮らしと経営を守る決意を固め合いました。
- 「農民」読者や会員をふやそう/食品分析センター募金者氏名(敬称略)
- 東京農民連の第16回定期総会が2月19日、八王子市労政会館で開かれました。新しく採択された方針は、新婦人産直の前進、「ふるさとネット」に呼応した東京のネットワークの構築、食料自給率向上の署名運動、牛舎やたい肥小屋などを農地課税にさせる運動、憲法改悪阻止―などの活動を強め、会員と新聞「農民」読者を増やすこと。また、十人の新理事を選出しました。新四役は、会長=田中山五郎(現)、副会長=秋間市郎(現)、事務局長=斎藤勇(新)、会計=高橋毅(現)です。
- フーデックス・ジャパン2005
- 3月8日から11日にかけて千葉・幕張メッセで開かれ、9万2千人が訪れた「第30回国際食品・飲料展」(フーデックス・ジャパン2005)。多くの出展者が、BSEや鳥インフルエンザ、GM(遺伝子組み換え)といった食品の問題に対する消費者の不安に配慮して、安全・安心をアピールするなか、アメリカブースでは、同国産牛肉の早期輸入再開を求める署名が集められ、異彩を放っていました。フーデックスは、世界・地域75カ国、約1600社、国内から約700社、計2300社ほどが出展するアジア最大の食品・飲料見本市です。
- 改悪農協法が狙うもの(1)
- いま全国の農協で、定款改正のための総代会が開催されています。
- 評判高い飼料イネ
- 飼料イネの研究・普及に関する情報交換会が、3月10、11日、栃木県塩原町で開かれました。畜産草地研究所などが主催したもの。全国から、研究者や行政の担当者、農業改良普及員など200人余りが参加しました。
- 読者からのお便り
- 増税に怒りもち確定申告すませ/日本の食生活侵すマクドナルド/低農薬果樹で安全・安心を追求/“はし”持参して外出しようかな
- 憲法改悪反対! 消費税増税許すな
- 福岡県民大集会が2月27日、福岡市冷泉公園で開かれ、「ストップ小泉悪政! 許すなイラク戦争! 憲法改悪・消費税増税を許すな!」を求めて、6100人が集いました。とくに有明海漁業協同組合連合会から大漁旗を掲げた200人あまりがはじめて参加。大きな拍手が送られました。
- 新聞「農民」を6人増やした
- 先日、新聞「農民」を購読している兵庫県の農業高校の先生から、新聞を「6部増やした」との封書が届きました。手紙によると「県下の農業高校教職員の集まりを持つ機会がありまして、その際、貴紙の宣伝を行いました」とのことです。
- 惨状を見てもらい、平和の大切さを実感
- 1945年3月10日の東京大空襲から60年。都内の六本木ヒルズ内で3月5日から10日まで、戦災体験者、遺族らによる手作りの「東京大空襲展」が開かれました。主催は、東京大空襲60年の会。
- 旬の味
- 母は98歳の誕生日を1月に迎えた。まだ目も耳も確かで、ボケも少ない
■2005年3月21日(第676号)
- 強まる大企業の農業参入
- 大企業による農業への参入・支配の動きが強まっています。小泉内閣は今国会に、これまで「構造改革特区」に限定していた株式会社一般の農業参入を全国に広げる法案を提出。この動きを後押ししようとしています。
- 農産物輸出拡大
- 農水省は、農林水産物輸出を現状の2倍、6千億円に増やす目標を決めました。そもそも輸出拡大は、「海外では、日本の農産物が高級品として売れている」と、所信表明で声を張り上げた小泉首相の肝いり。しかしこれは、輸入自由化と価格保障の縮小・廃止で日本農業を存亡の瀬戸際に追いやっている小泉「亡国」農政への批判をかわすだけのものです。
- 春日部楽農倶楽部が誕生
- 「どしどし作って、どんどん売ろう」―埼玉・春日部市で3月5日、「春日部楽農倶楽部」が誕生しました。農民連春日部支部が呼びかけたもの。都市化が進む地域で、農家と消費者が共同して農地を守り、もの作りを広げるとりくみとして注目されます。
- 国会だより/経営基盤強化法の改悪案 株式会社の農地取得へ道
- 農水省は今の国会に、経営基盤強化法などの「改正」案を提出。特区でしか認められていない一般の株式会社などに対する農地の貸付(リース)方式を全国展開しようとねらっています。貸付方式とは、市町村や農地保有合理化法人などが農家から遊休農地や耕作放棄地を借受け、それを株式会社などに貸し付ける方式。貸付(リース)といっても家族経営を基本とする現行の農地制度の原則に反するものです。
- 国内生産ふやし自給率向上を
- 新婦人山梨県本部が主催する産直学習会が2月27日、甲府市で開かれました。講師は、食健連の上山興士事務局次長。山梨で独自に新婦人産直学習会を開いたのは、今回が初めてです。
- 五百数十年の伝統文化 黒川能
- 山形・庄内産直センターは2月25日から27日まで、「雪の出羽路を踏みしめ、伝統文化を観る食びツアー」を行い、地元をはじめ神奈川、東京などから10人余りが参加しました。
- 憲法9条守ろう・教基法改悪反対
- 3月8日は、国際女性デー。東京・銀座では、農民連女性部も参加して「銀座パレード」が行われました。参加者の手には、色とりどりの横断幕、のぼりとともに、千葉・安房農民組合から届いた春を呼ぶ鮮やかな菜の花。昼休みでにぎわう銀座通りに「憲法九条を守ろう」「教育基本法改悪反対」「男女平等を実現しよう」の声を響かせました。
- アノくさ〜い牛のおしっこを浄化
- 牛のオシッコを浄化し、消臭剤として再利用する実験がようやく実用化にこぎつけました。
- 高校生のレストラン 新装オープン
- 三重県多気町の五桂池ふるさと村に、高校生が調理・運営するレストラン「まごの店」が、2月19日に新装オープン。来店客は、本格的な味と安さにびっくり。町と高校、そして料理家をめざす高校生の熱意が、「地消」の場を作り上げました。
- 純米生原酒 社清水
- 兵庫農民連会員の古跡真一さん(35)は、このほど無農薬で作った酒米・山田錦で酒を仕込みました。
- 旬の味
- 今年は雪が深い。“大雪をはらうは風雅の状にあらず”と『北越雪譜』は書いたが、地震にあった中越地方の豪雪には胸が痛む。それだけに春が待ち遠しい。春が来れば、どんな大雪も消える。その確信が苦労や困難をしのぐ力を生み、お互いに助け合い、苦労を分かち合って春を待つ
■2005年3月14日(第675号)
- スマトラ大地震・津波/国際連帯の力で被災農民・漁民の生活再建を
- 国際連帯の力で、空前の大災害に苦しむ農民と漁民の生活再建を――世界的な農民運動組織であるビア・カンペシーナは2月17〜19日、インドネシア・北スマトラのメダンで「農民と漁民の生活を復興し発展させるための地域会議」を開き、20〜21日には地震と津波の直撃を受けたアチェ州を視察しました。
- 自給率署名が31万筆突破
- 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(食健連)は3月2日、都内で第2次自給率向上署名提出行動に取り組みました。
- 国民投票法案 出させない
- 憲法改悪の動きが強まるなか、憲法を守る運動の発展をめざす学習交流集会が2月25日、都内で開かれました。農民連も参加する憲法改悪反対共同センターが主催したもの。
- 金額ベースを自給率の新目標に農地確保を450ヘクタールに下方修正
- 食料自給率はカロリーベースと金額ベースの2本立て―こんな「食料・農業・農村基本計画」見直しの「原案」を、農水省は2月24日、食料・農業・農村政策審議会企画部会(座長・生源寺眞一東大大学院教授)に提案しました。
- 外国の移住労働者の権利守れ
- 首都圏移住労働者ユニオンは、日本で働く世界各国の移住労働者の権利と尊厳を守るとりでです。今春、事務所を東京・池袋に移し、2月18、25日、事務所開きが行われました。
- 嶋村農相こそ国民の食の安全脅かす非常識だ、辞任せよ!
- 「農相の辞任を要求する」――。全国食健連と農民連は3月3日、「BSE・畜産要求実現中央行動」にとりくみ、佐々木健三会長は、農相の「非常識」発言について、「これは、アメリカ言いなりの日本の政治の縮図。農相の辞任を求めるとともに、任命権者としての小泉首相の責任も問われている」と述べて、この問題を厳しく追及していく考えを示しました。
- 食品安全委山内委員「全頭検査維持を」/北海道 十勝でも集会
- アメリカや外食産業などからアメリカ産牛肉の早期輸入再開の圧力が強まるなか、2月18日、大阪で「BSEの安全対策を考える」学習講演会が開かれました。講師は、内閣府食品安全委員会プリオン専門調査会委員も務める東大名誉教授の山内一也氏。主催は、大阪食糧農業問題研究会、大阪消団連、食農府民会議の3団体です。大阪をはじめ、近畿各地、名古屋や三重から116人が参加して、関心の高さを示しました。
- スマトラ大地震・津波/目おおう惨状にめげず懸命に立ち向かう人々の姿を見た…(1/5)/(2/5)/(3/5)/(4/5)/(5/5)
- 二月二十、二十一日は私の生涯で忘れられない日になるでしょう。
- 読者からのお便り
- 「食事」に関する記事多く参考に/読めば読むほど味のある新聞/日本人はもっと怒らなくては…/畑作業に備えて切り抜きの整理
- 鈴木武さんをしのぶ
- 全国連顧問の鈴木武さんが、2月8日、肺炎で72歳の生涯を終えました。鈴木さんの人生は、20代で農民運動の専従者となり、50年の永きにわたり農民運動一筋の人生でした。
- 演劇/児演協の合同公演「お伽芝居 春若丸」
- 毎年恒例の児演協(日本児童・青少年演劇劇団協同組合)の合同公演。ことしは「お伽芝居 春若丸」を上演します。この作品は巌谷小波が1903年(明治36年)に書いたもの。これまで上演されたことがなく、今回が本邦初演。
- 村民総出で雪中運動会
- 山形県庄内地方の朝日村では、19年ぶりに積雪4メートル近い大雪です。大網地区では2月27日、小学校のグラウンドで幼児からお年寄りまで村民総出の雪中運動会が開かれました。
- トウモロコシ「きぼう」種まきを開始/産直で交流
- 昨年から農業を本格的に始めた山梨・三珠町の池川雄二さん(48)と末木文夫さん(36)が、トウモロコシ「きぼう」の準備を始めています。
- ふるさとネット通信から
- トウモロコシ「きぼう」種子の遺伝子組み換えについての検査結果が出ました。野原種苗(株)が農民連食品分析センターに検査依頼したもので、「ふつう種」「早生種」ともに“組み換え遺伝子は検出せず”とのことでした。
- シリーズ直売所 北から南から
- 鹿児島県大崎町で、地元の農民連と商工会が連携して、地産地消と商店街の活性化をめざす直売所「ふるすき」が、2月11日オープンしました。名前は、「ふるさとが好き」からネーミング。
- インタビュー/人を殺す武器は要らないの 命を育て、幸せにする食料が大切なのよ
- テレビや講演で引っ張りだこの料理研究家・小林カツ代さん。その忙しい合間を縫ってのインタビュー。歯切れのいい“カツ代節”で減反から食料政策、公共事業、防衛問題と自民党政治の責任をバッサ、バッサと斬りまくってくれました。
- 旬の味
- もう3月だというのに、わが家の畑の凍み(しみ=氷)はまだ融けない。薄日が射すなか風花(=雪)が舞う。信州でも雪が少ない方の佐久で、一番寒い雪の降り方だ。「ひどい凍みだとふるさと言葉で山にいう」(栗林一石路句集)。この分だと春耕(はる)は遅れそうだ
■2005年3月7日(第674号)
- 農民連青年部第13回総会/青年のネットづくり 地域でさらに(1/3)/(2/3)/(3/3)
- 農民連青年部は2月20、21日、都内で第13回総会を開きました。時には酒を酌み交わして大笑い、時には真剣に討論する―これが青年部のだいご味です。今回はとりわけ、農家以外の青年と協力したとりくみが大注目。農業青年だけでなく非農家の青年にも目を向けて運動を発展させようと確認しました。
- 遺伝子組み換えから北海道を守ろう/共産党の考えるつどいに町長・町議・農業委員ら250人
- 遺伝子組み換え(GM)作物の試験栽培を規制する条例案がいま、北海道議会で審議されています。成立すれば全国初。農作物の多くを生産する北海道での条例制定の動きに全国の注目が集まるなか、各団体が道内各地で、遺伝子組み換え作物・食品に反対する集会に取り組んでいます。
- 税金計算会/計算ソフト活用して「ものづくり」説明も/消費税率上げに不安の声/来年以降の対策も検討
- 福島県農民連は今、各地で「ものづくり、税金相談会」を開催しています。2月20日には二本松市と白沢村で、会員が10人ほど集まって、お互いに教えながら記帳を進めました。県連の根本敬事務局長は、大型スクリーンにパソコンの画面を映し出し、記帳の仕方や米つくりの取り組みを説明、好評です。
- 農民連ふるさとネット/生産者と消費者をつなぐ架け橋(1/4)/(2/4)/(3/4)/(4/4)
- 農民連ふるさとネットワークは、農家と消費者をつなぐかけ橋。生産者の思いがいっぱいつまった農産物を届けています。それを受け取った業者さんの思いは――。
- “豚肉の輸入中止を決めた”
- 全農(全国農業共同組合連合会)の子会社「組合貿易」がカナダ産やアメリカ産の黒豚肉を、鹿児島産と偽って販売していた問題で、鹿児島県農民連は、全農の田林聡理事長あてに、「怒りをもって強く抗議」し、「ただちに黒豚輸入を中止し、国内の畜産業の振興と安全・安心な農産物を消費者に提供する努力をいっそう払われるよう要望する」という「抗議文」を出していました。
- 奈良県農民連に“分析室”
- 奈良県農民連に昨年11月、農産物や土壌の「分析室」がオープンしました。分析室では、田畑の土壌診断や農作物の栄養診断などを簡易測定法で行います。組合員の安全でおいしい農作物づくりに役立てることが、目的です。
- 町内にできた道の駅“たちばな”に野菜・果物の販売所「そろり」
- 福岡県立花町に道の駅「たちばな」が2月11日、オープン。このなかにある農産物販売所「夢実館・そろり」には、特産のミカンやキウイ、タケノコをはじめとした、たくさんの旬の野菜・果物が置いてありました。
- この人/周りを助けられる農家めざす
- 農民連青年部の総会に初参加しました。秋田・美郷町でお父さんと一緒に10ヘクタールの田んぼを耕作する後継者です。スラッとした長身、朗らかな語り口、笑顔が特徴です。
- 旬の味
- 公害闘争の原点と言われ、教科書にも載っている足尾鉱毒事件は、今から100年前のこと。田中正造は、企業の利益追求とともに、その結果である公害と果敢にたたかった
|