「農民」記事データベース20050307-674-14

旬の味


 公害闘争の原点と言われ、教科書にも載っている足尾鉱毒事件は、今から百年前のこと。田中正造は、企業の利益追求とともに、その結果である公害と果敢にたたかった▼その田中正造翁(おきな)は、「世界の軍備は全廃すべき」と高らかに宣言した。平和と豊かな自然を守るたたかいはつながっていると、あらためて思う▼当時としてはたぐいまれな「人権・平和思想」の持ち主だった田中正造は、世界中が「富国強兵」を競うなか、(1)戦争は罪悪である(2)軍隊は全廃すべき(3)国家間の紛争は話し合いで解決する(4)日露戦争の相手、ロシアの人民と連帯する(5)人民があって国家がある(6)人権は法律より重い(7)地方自治体は国家の基礎―などを唱え、その思想は、今の平和憲法の理念と驚くほどよく似ている▼百年前の田中翁のたたかいや、その後の甚大な犠牲のうえに誕生した憲法。それを今、改悪しようとする動きが急だ。天皇制のもとで命がけで唱え、行動した田中正造。その何ものにもひるまない生き様を見習いたい。

(慎)

(新聞「農民」2005.3.7付)
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2005年3月

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