「農民」記事データベース20050314-675-21

旬の味


 もう三月だというのに、わが家の畑の凍み(しみ=氷)はまだ融けない。薄日が射すなか風花(=雪)が舞う。信州でも雪が少ない方の佐久で、一番寒い雪の降り方だ。「ひどい凍みだとふるさと言葉で山にいう」(栗林一石路句集)。この分だと春耕(はる)は遅れそうだ▼「そうはいってもボツボツ種もみ、苗代の心積もりや日程を」と思っているところへ、農協から「種もみを農協から買わないと米を売ってやらない」「自家採種のもみなら遺伝子の検査が必要。一件一万円」という通知▼政府は「食料自給率は、金額で計算すれば向上する」という。計算で腹が膨れる? 「日本の技術で作れば、中国産でも国産といっていい」「外米を輸入しても米需給には無関係」…これらは農政上の「解釈改憲」ではないか。軍艦や戦闘機を持っても「軍隊ではない」と言うのと同じ。それでもダメで「九条」を変えようと策謀▼「あどけなくいくさは知らず雛の顔」(一石路)。でも、いまやあどけないだけでは済まされない桃の節句だ。

(節)

(新聞「農民」2005.3.14付)
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2005年3月

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