「農民」記事データベース20050321-676-12

旬の味


 今年は雪が深い。“大雪をはらうは風雅の状にあらず”と『北越雪譜』は書いたが、地震にあった中越地方の豪雪には胸が痛む。それだけに春が待ち遠しい。春が来れば、どんな大雪も消える。その確信が苦労や困難をしのぐ力を生み、お互いに助け合い、苦労を分かち合って春を待つ▼今、われわれを取りまく状況も冬の様相を示している。歴史的には、時代の転換期である。この現状を科学の目でとらえ、展望への確信をもって創意工夫をこらした活動を展開する。季節の周期よりは長い期間と苦労をともなうが、春はこの厳しい冬のなかで準備される▼豪雪さながらに、農民の土地を奪い取る法案が、小泉内閣によって今国会に提出された。農地のリース方式による株式会社一般の農業参入を、特区限定から全国どこでもできるようにする。五年越しにねらってきた彼らの目的は明白。農民的土地所有と家族経営を破壊することにある▼農民の土地を守る。それは今、地域を守り、美しいこの国を守ることなのである。

(新)

(新聞「農民」2005.3.21付)
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2005年3月

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