BSEの全頭検査は世界の非常識という嶋村農相こそ国民の食の安全脅かす非常識だ、辞任せよ!食健連、農民連、消費者ら強く抗議
「農相の辞任を要求する」――。全国食健連と農民連は三月三日、「BSE・畜産要求実現中央行動」にとりくみ、佐々木健三会長は、農相の「非常識」発言について、「これは、アメリカ言いなりの日本の政治の縮図。農相の辞任を求めるとともに、任命権者としての小泉首相の責任も問われている」と述べて、この問題を厳しく追及していく考えを示しました。 牛肉の輸入再開を求めるアメリカの不当な圧力がますます強まるなかで開かれたこの日の行動には、北海道から六人参加したのをはじめ、茨城、群馬、神奈川、静岡の代表と消費者、労働者など約五十人が参加。農水省に対しては、アメリカ産牛肉の輸入禁止の継続とともに、牛乳・食肉の保障価格の引き上げ、たい肥施設整備への補助の継続などを要求。食品安全委員会には、外圧に臆(おく)することなく最後まで科学的知見にもとづいて議論を尽くすよう求めました。 農水省では、担当者が農相の発言について「大臣は単純にヨーロッパの対策との違いを述べただけ」などと釈明。これに対して参加者から激しい批判の声があがり、新婦人の安達絹恵さんは「大臣としての適格性を欠く発言。アメリカ産牛肉の輸入再開を促すもので、断じて許せない」と指摘しました。 行動に参加した北海道農民連の木村秀雄副委員長は「地元では、BSEの発生でと畜場が閉鎖し、たいへんな目にあっている。酪農家の離農も後を絶たない。アメリカ言いなりでなく、日本の農家のための農水省に変えていく必要がある」と、断固とした口調で語っていました。
輸入再開急ぐアメリカいいなりの農相の姿勢企業モラル欠けた吉野家「BSEの全頭検査は世界の非常識」――島村宜伸農相は、二月二十五日の衆院予算委員会でこう述べて、全頭検査を攻撃しました。しかし、全頭検査から二十カ月齢以下を除外するか否かは今、食品安全委員会が農水・厚労両省の諮問にもとづいて議論している最中であり、その当事者である農相がこうした発言をすることこそ「非常識」。消費者団体などからは、農相の謝罪や罷免を求める声があがっています。農民連は三月三日、農相の辞任を求める抗議談話を発表しました。島村大臣は記者会見で再三、「可能な限り早く食品安全委員会で結論を」と語っています。これは、アメリカ産牛肉輸入再開の最大の障害である全頭検査を切り崩し、一刻も早く輸入再開にこぎつけたいという思いから。 牛丼チェーン最大手の吉野家は二月十一日の一日に限って牛丼を復活。その四日後、全国紙にデカデカと輸入再開を求める全面広告を載せましたが、そのときも農相は、「私も愛好者の一人」などとエールを送っていました。 吉野家がこの日使った百五十トンの牛肉は、禁輸前に通関済みだった一年以上前のアメリカ産牛肉がほとんど。安全かどうかわからない牛肉を食べさせて、おく面もなく大宣伝している吉野家は「ひとかけらの企業モラルもない」といって過言ではありませんが、それができたのは政府が輸入済みのアメリカ産牛肉を回収しなかったからです。 日本で最初のBSEが発生した〇一年九月。それから一カ月半後に全頭検査が始まりましたが、その際、政府は、全頭検査以前に出荷されたすべての牛肉を買い上げて、消費者の口に入らないようにしました。これに比べて、アメリカ産牛肉の扱いは異常です。 消費者の声に耳を傾けず、日本農業の未来への責任を投げ捨ててアメリカの要求を最優先する農相の辞任は当然です。
(新聞「農民」2005.3.14付)
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[2005年3月]
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