2005年8月
■2005年8月22日(第697号)
- さあ総選挙だ/農政の流れ 大本から変えるチャンス
- 投票日まであと3週間――。農民連は、今度の総選挙を“農政の流れを大本から変えるチャンス”と位置づけて、各地でとりくみを進めています。憲法改悪や庶民大増税の問題とともに農政も重大な争点。農産物の輸入自由化を推し進めて日本農業を競争にさらし、多数の農民を生産から締め出す「構造改革」を許すのか、それとも輸入農産物の規制と、がんばるすべての農家を対象にした価格保障を実現し、食料自給率の向上に踏み出すのかが鋭く問われています。
- ネットへ期待広がった1年
- 日本列島3000キロ、豊かな農産物をネットワークに乗せて全国へ―農民連ふるさとネットワークは、8月4、5の両日、東京都内で第2回総会を開催しました。
- 豊見城市農民組合が再結成
- 沖縄・豊見城市農民組合が8月6日、再結成されました。
- 食品安全委員会 審議の特徴と行方(上)
- アメリカ・カナダ産牛肉の輸入再開について審議している食品安全委員会プリオン専門調査会。5月末に厚労・農水両省が諮問してから、4回の審議が経過しています。この間、委員からは、アメリカで2頭目のBSE牛が発見されたことを受けて「諮問を取り下げるべきではないか」といった意見が出るなど、審議のあり方に不満が続出。その一方で、答申のたたき台づくりも進められています。審議の特徴と今後の行方を見ました。
- 中学校の教科書 農業・食料の記述は―
- いま各地で、来年4月から使用する中学校教科書の採択が行われています。社会科の農業、食料についての記述がどうなるのか、比べてみてビックリ。食料自給率の向上や農業の振興が必要と記述しているものもあれば、貿易の自由化が大切という教科書もあります。
いま侵略戦争を美化する「つくる会」の教科書(扶桑社)が大問題になっていますが、農業、食料の記述もチェックする必要があります。
- ビデオ「ノーモアBSE」完成
- 農民連・食健連が行った訪米調査やBSEフォーラムをはじめ、この間の運動をもとに作成された待望のビデオ「ノーモアBSE それでもあなたは食べますか―食の安全とBSE根絶めざして」(製作・全農映)が完成しました。
- 火傷病侵入防止へ万全策を/お客さんに感謝
- アメリカのごり押しとWTOの裁定によって、8月中にも検疫措置が撤廃されようとしているリンゴ火傷病の問題で、農民連は8月10日、農水省に対して、(1)アメリカ政府に対して火傷病侵入防止のために、必要な措置の実施を要求すること。これらの措置が実施されない限り、アメリカ産リンゴは輸入しないこと、(2)火傷病が万が一侵入した場合には、国の責任で撲滅すること。損害については、すべて補償すること―を要請。主産県である青森や長野のリンゴ農家が参加しました。
- 被爆60年 核兵器廃絶へ
- 「被爆60年 核兵器のない平和で公正な世界へ行動と共同を」のスローガンのもと、原水爆禁止世界大会・広島が8月4〜6日、開かれました。大会には、開会総会に8000人、ヒロシマデー集会に例年を大きく上回る9000人、海外からも過去最高の29カ国、264人が参加。被爆者の方々の勇気ある発言、世界の青年たちの“核兵器はなくせる”との力強いアピールに大いに励まされた3日間でした。
- 旬の味
- 今年も暑い夏とともに、8月6日、9日がやってきた。とりわけ被爆60年ということで、国民の関心が高まっている。先日もテレビで、広島、長崎の当時の惨状と、その後遺症に今も悩まされている被爆者のたたかいが映し出され、あらためて核兵器の恐ろしさを再認識した
■2005年8月15日(第696号)
- 悲惨な歴史乗り越え今「9条の会」発足
- 戦後60年、各地で相次ぐ「九条の会」の結成。長野県松川村(人口1万人)でも、戦前・戦中の満州への開拓移民という悲惨な歴史を乗り越えて、「九条の会」が発足。憲法を守る新たな一歩を踏み出しました。
- 衆院解散、総選挙へ
- 郵政民営化関連法案は8日午後の参院本会議で民主、共産、社民の野党各党の反対に加え、自民党からも反対、欠席・棄権する造反者が相次ぎ、賛成108、反対125の大差で否決されました。
- 香港閣僚会議へ向けた“第1次案”一般理事会(7/29)が策定断念
- 「2003年のメキシコ・カンクン閣僚会議に続き、再び決裂する懸念が高まってきた」(「日経」7月30日付)といわれるように、WTO交渉の混迷ぶりが浮き彫りになっています。
- 食品安全委への諮問撤回せよ 食健連・農民連・畜全協が要請
- アメリカで2頭目のBSE牛が見つかり、ますます深刻な汚染実態が明るみに出るなかで、全国食健連と農民連、畜全協(畜産農民全国協議会)は8月3日、厚労省と農水省に対して、両省が食品安全委員会に諮っているアメリカ産牛肉輸入解禁の諮問を撤回するよう求めました。
- 兵庫県連が米検査員研修会/高橋衆院議員に9千人余手渡す
- 兵庫農民連は7月8日、県連事務所で5人の検査員全員が参加し、米検査員研修会を行いました。これには農政事務所から2人の方に指導に来ていただきました。
- 歴史を動かした農民の姿消え侵略戦争と植民地支配を美化
- 来年4月から使用する中学校教科書の採択が行われています。新しい歴史教科書をつくる会(「つくる会」)の歴史教科書(扶桑社版)の問題点と、全国の状況について、子どもと教科書全国ネット21事務局長の俵義文さんに寄稿してもらいました。
- 大きな感動と確信「九条の会」の講演会
- 「たいへん勇気をいただいた講演会でしたね。これからも自信を持って九条とともに生きていきます」―「九条の会」は7月30日、東京・有明コロシアムで講演会を開催。全国から9500人が参加し、大きな感動と確信に満ちあふれました。
- いまこそ「憲法九条」輝かそう(1/3)/(2/3)/(3/3)
- 1945年3月10日の東京大空襲をはじめ、その後も東京は大空襲に見舞われ続けました。けがをした人、死んだ人がそこかしこに転がる焼け野原を、ただひたすら歩きつづけて、自宅のある大森駅にたどり着いたあの日の光景は、いまも脳裏に焼きついています。
- 読者からのお便り
- おとな向けミュージカルだった/米を守る方向で現農政の転換を/厳罰で臨む姿勢にやりきれなさ/農民連の都議選応援ありがとう/またまた庶民いじめの増税計画/産直米5キロもち長男家族を訪問
- ふるさとネットワクワクだより
- 原料の「キザキノナタネ」は、ノンエルシン酸なたねとして開発された品種。高温に耐え、こしが強く日持ちも良い。しょう油は「ふくしま大豆の会」のオリジナルしょう油。もちろん福島県産大豆100%使用です。
- シリーズ直売所 北から南から/大阪・河南町「かなん」
- 大阪・南河内にある河南町。富田林市から奈良県御所市へぬける国道309号沿いに、道の駅「かなん」があります。
- 中国のリンゴ輸出(下)
- アメリカのリンゴ業界は、卑劣な泣き方をしている。アメリカの農家が価格で競争するためにいかに努力しても、中国の労働者の1時間あたり25セントという法外な賃金に勝つすべはない。アメリカの農家は、中国のリンゴ栽培現場で、大量の農薬が使われていると指摘しているが、中国産濃縮リンゴジュースを輸入し、加工、販売する業界はこうした農家の指摘に消音器をつけているようだ。
- “雨ニモマケズ”を揮毫 期待ふくらむ新事務所を飾る/甘くておいしい 家族連れ200人
- 長野県農民連の事務所に小林節夫さん(前農民連代表常任委員)の筆による宮沢賢治の“雨ニモマケズ”の額を飾ることができました。
- アメリカはあの第2次大戦の末期、日本にも枯葉作戦を準備していた
- ベトナム戦争終結(75年4月30日)から30年。米軍の枯葉作戦によるダイオキシン被害を世界で初めて告発した報道写真家・中村梧郎さんは、東京や大阪で写真展「枯葉剤の30年」を開催。今でも被害に苦しむベトナムの人たち、また加害者であり被害者でもある米軍の復員兵士の悲惨な姿は胸に迫るものがありました。
- 旬の味
- 去年のトウモロコシ「スーパースイートきぼう」は、早くから高温で“これはよく出来る”と思いきや、雨が少なかったのか、草丈が小さいうちに雄花が出て房(雌花)が毛を出すころには花粉がなくなってしまい、不稔(ふねん)が多かった。分けつした茎の房を除去しない方がよかったということになった
■2005年8月8日(第695号)
- 打ち解けた雰囲気 ざっくばらんに交流
- 「わしら米屋は、一生懸命作った生産者の思いを、まっすぐ消費者に伝えたいんや」―農民連ふるさとネットワークが7月24日に関西会場(大阪市港区)で開いた「米屋さんと生産者をつなぐ第3回交流会」には、そんな熱意あふれるお米屋さんが大勢参加しました。
- 香港WTO閣僚会議(12月13日〜18日)行動に参加しよう/香港WTO閣僚会議行動の日程・参加要綱
- 日本と世界の農業をドン底におとしいれているWTO(世界貿易機関)。WTOの第6回閣僚会議が12月13〜18日に香港で開かれます。放っておけば、米の関税大幅引き下げ・完全自由化さえ決められかねません。
- 福島県農民連発行 穂波(HO-NA-MI)
- 福島県農民連が発行している月刊「穂波(ほなみ)」は、A4判で4ページ仕立て。発行部数は、9500部。会員やお米産直でつながっている福島・大阪の新婦人にも届けています。
- 農民連と一層緊密な関係を/農民連ふるさとネットワーク05年夏・秋ギフトカタログ
- 日本販売農業協同組合連合会(日販連)の役員が7月28日、農民連本部を訪れ、佐々木健三会長など農民連とふるさとネットワークの役員と親しく懇談しました。
- 五島市農民組合が誕生
- 長崎県五島市で7月20日、「五島市農民組合」が結成されました。
- 春“平和の種”まいた都会青年 収穫も自らの手で/福岡・みのう農民組合大豆畑トラスト みそ仕込み
- 「採って・作って・歌って・飲んで」――都会で暮らす青年が種をまいたトウモロコシと枝豆の収穫が7月23日、千葉市緑区にある熊手正幸さんの畑で行われました。これは「大地に平和の種をまこう」と、千葉県農民連青年部と「わかちばーず」(千葉合唱団の若手有志)が取り組んでいる農作業体験で、この日は20人が参加しました。
- 中国のリンゴ輸出(中)
- 1980年代の中国は、ワシントンリンゴの主要輸入国だった。中国政府が北西部諸県にリンゴ果樹園の植樹を決定したのは、そのころだ。実質ゼロから、12〜15年の間に世界最大リンゴ生産国になった中国の成長ぶりは、どんなものさしで計っても目覚ましい。中国のリンゴ生産は世界の頂上にとどまり、インドを含む世界トップテンの国々の合計生産量を超えている。
- 前進座・戦後60年特別企画/今日われ生きてあり/幕開けから終演まで涙、涙
- 鹿児島・薩南の地、知覧。これは、知覧を飛び立ってもどることのなかった少年特攻兵と、「ときわ食堂」の女将・鳥花うめさんやその家族など、彼らの出撃を見送った人々との魂の交流の物語です。
- 日本母親大会/憲法9条は宝 子に平和な地球を
- 「憲法九条は世界の宝、子どもたちに平和な地球を」をスローガンに、茨城県内で7月23、24の両日行われた第51回日本母親大会。全国各地から集った参加者は、子ども、くらし、平和、食と農業などをテーマに全体会、分科会、シンポジウムなどで交流を深め、ともに学び、語り合いました。
- 旬の味
- 一番草の収穫作業が始まった。そのなかに3日間休む暇なく家族総出でやる作業がある
■2005年8月1日(第694号)
- 今年12月開催――WTO香港閣僚会議
- WTOは今年12月13〜18日、香港で第6回閣僚会議を開きます。しかし現時点では、これに向けた準備がはかどっていないことは明白。今後の行方は予断できませんが、WTOは今、「死にかけている貿易交渉」(フィナンシャル・タイムズ05年5月4日)といわれるほど停滞・混迷状態におちいっています。
- 「米改革」だまっていられない/米・農業の未来ひらくには…
- 「米改革」元年の昨年は、米価が大暴落しました。2年目を迎え、「米改革」を問い直し、地域農業の再生をめざすとりくみが米どころを中心に広がっています。
- コメ入札に新ルール導入
- コメ価格センター(全国米穀取引・価格形成センター)は、7月12日、全農(全国農業協同組合連合会)秋田県本部の架空取引事件(価格暴落に耐えきれず、不正手段で価格維持をはかったもの)などを理由に、入札取引の新たなルールを決めました。2005年産米の入札取引から適用される新ルールは、いずれも米価の安値安定をはかるものばかりです。
- 全国委員会への報告(1/3)/(2/3)/(3/3)
- 自民党、公明党、民主党が憲法改悪を競い、次期国会で「国民投票法案」の成立をたくらむなど、緊迫した状況となっています。
- “守ろう憲法9条”こうして活動
- 党派超え幅広く「会」結成の呼びかけ人に/「あの人も…」地域から多彩な顔ぶれ続々と
- 危険なGM稲の屋外実験
中止求めて運動強化を
- 北陸研究センター(新潟・上越市)による遺伝子組み換え(GM)稲の屋外実験栽培が強行され、多くの団体が中止を求める動きを強めています。しかし、研究センターは、栽培中止をする姿勢をみせていません。
- 中国のリンゴ輸出(上)
- 布地や衣類ばかりでなく、中国は、アメリカ市場を濃縮リンゴジュースであふれさせてきた。濃縮だけで満足しない中国は、いまやUSDA(アメリカ農務省)に生鮮リンゴの検疫証明を求めている。こうして赤いリンゴの潮流は、アメリカを洗い流そうとしている。
- 演劇/3劇団の共同企画「60年目の夏」
- 劇団青年座、劇団東演、の共同企画「六十年目の夏」は、3つの劇団がそれぞれに「平和」へのアプローチとして上演してきた作品を一堂に集めたもの。青年座「明日―一九四五年八月八日・長崎」(井上光晴=原作、小松幹生=脚色)、東演「朗読劇・月光の夏」(原作・脚本=毛利恒之)、関西芸術座「少年H」(妹尾河童=原作、堀江安夫=脚色)、長崎、知覧、神戸を舞台に描かれた作品です。演出は三作品とも鈴木完一郎(青年座)。
- 新規就農して5年軌道に乗った桃づくり
- 愛媛県での鉄工所勤めをやめて、岡山県で桃づくりを始めた大西正人さん(新聞「農民」2001年7月23日付で紹介)。桃を作り続けて5年がたちました。「石の上にも三年」という諺(ことわざ)がありますが、なかなかどうして、今では地域の名物男です。
- この人/許せない 憲法9条改悪
- 日本一の広さで有名な北海道の陸上自衛隊矢臼別演習場。大阪市の大きさに匹敵する1万7千ヘクタールもあります。その真ん中にたった一人で住んでいます。
- 青森県農民連女性部が総会
- 青森県農民連女性部は7月1日、蓬田(よもぎた)村のふれあいセンターで総会を開催。県内各地から約15人の女性が集まりました。
- 旬の味
- 異常続きだった梅雨が明けたとたん、連日30度を超す猛暑の大阪で「今、旬の味は?」と問われたらエダマメと答えたい。昼間の汗を流し、湯上がりのひととき、グッと冷えたビールのあてには塩ゆでしたエダマメの風味が最高だ
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