「農民」記事データベース20050808-695-09

日本母親大会

憲法9条は宝 子に平和な地球を

茨 城

 「憲法九条は世界の宝、子どもたちに平和な地球を」をスローガンに、茨城県内で七月二十三、二十四の両日行われた第五十一回日本母親大会。全国各地から集った参加者は、子ども、くらし、平和、食と農業などをテーマに全体会、分科会、シンポジウムなどで交流を深め、ともに学び、語り合いました。

 二十三日の全体会では、人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本支部特別顧問」のイーデス・ハンソンさんの記念講演、伊奈かっぺいさんと大原穣子さんのユーモアあふれる憲法トークに、参加者は引き込まれました。

 舞台では、茨城県農民連女性部が、コシヒカリ、レンコン、長ネギ、ハクサイなど茨城の農産物を紹介し、大会参加者を歓迎。海あり、山ありの緑豊かな大地で、農業を営む喜びを表現し、「いのちを支える喜びと誇りを失わず、ずっと農業を続けるためにも、平和が大事」と呼びかけると、会場から大きな拍手がわき起こりました。


シンポ

一緒に守ろう食の安全

生産者と消費者が交流

 「守ろう食の安全・日本の農業」のシンポジウムでは、中島紀一・茨城大学教授、萩原久・元八郷農協組合長、井上隆弘・鯉渕学園理事長、坂口正明・食健連事務局長、池山恭子・東京消団連事務局長が討論。農民連の高橋マス子女性部長が司会を務めました。(写真〈写真はありません〉

 各パネリストは、今の農政、食の安全、食と農の一貫教育、消費者との交流という立場から現状をのべ、解決策を参加者とともに考えました。

 会場からは「命の糧を作るのは農民。小学生が田植えに来るが、教室では味わえない笑顔が生まれる」「産直品を届けてもらっている農家と交流している。今日のテーマで地域でもシンポを開きたい」「農家を苦しめている今の政治の中身を周りの農家に伝えたい」など、農家や消費者の意気高い発言がありました。

 最後に、参加者全員で、国の農政を変えるとともに、自治体にも自分たちの要求をぶつけ、地域から変えていく必要性を確認しました。


分科会

あなたの食は大丈夫?

“若い人は食にもっと関心を”

 農民連食品分析センターの八田純人さんが助言者を務めた「あなたの食は大丈夫?」の分科会には百二十人が参加。八田さんが、分析資料や実験を交えながら「日本の農業を守ることと、みなさんの食卓はつながっています。輸入食品やBSE問題でもきちんとした検査体制を維持していくことが大事」と話しました。

 会場からは「地産地消は地域農業を守ることにつながると、地場の野菜を学校給食に取り入れるよう議会で求めた」(土浦市議)、「運動会のお昼に、ハンバーガーを持ってくる親がいて驚いた。食に対して若い人に関心をもってほしい」(小学校管理栄養士)など各地の様子が報告されました。

 三十代のお母さんからは「抵抗なく子どもにハンバーガーを食べさせるのは、親の世代が私たちに食べさせたからでは? 今こそ年代に関係なく食に対して真剣に考えていかなければ」という意見が出されました。


自然の大切を改めて実感した

里山見学分科会

 三つの見学分科会が用意された大会二日目。そのうちの一つ、土浦市にある宍塚の里山を見学する分科会には、十八人が参加しました(写真〈写真はありません〉)。さまざまな生物が生息する豊かな里山に、参加者はあらためて自然の大切さを実感していました。

 里山の広さは約百ヘクタール。国指定史跡の上高津貝塚をはじめ、ハスに覆われた大池やオニバスの池、谷津田など、関東平野で最大規模です。

 一九八九年に創立されたNPO法人「宍塚の自然と歴史の会」は、里山の大切さを訴えるため、農業体験や伝統工芸の体験学習などさまざまな活動を行っています。

 行く先々で丁寧に説明する同会会長の及川ひろみさん。「里山の大切さを知らせるには、この豊かな自然を実際に見て感じてもらうことが重要」と語ります。

 「人と自然のかかわりの大切さを実感した」「伝統的な手法で自然を保全する取り組みに感動した」―など、参加者は感想を述べていました。


農民連女性部の交流会

一人ぼっちお母さんなくそう

歓迎フラダンスにやんやの拍手

 下妻市のホテルで全体会終了後に開かれた農民連女性部の「農村のお母さん交流会」には、全国から六十六人の女性が参加。自己紹介や全体会の感想、各地の報告、フラダンスの披露など、大いに交流を深めました。

 最も目を引いたのは、歓迎のフラダンス(写真〈写真はありません〉)。鮮やかな赤や緑が映える衣装、ゆったりとしたリズムで踊る茨城・県西女性部「若葉の会」のお母さんや子どもたちに参加者はうっとり。「アンコール」の声とともに盛大な拍手が送られました。

 「ハウスのトマト栽培は、結構孤独な作業です。この交流会の楽しさを胸に、来年の大会までの三百六十五日、またがんばります」と千葉県で米とミニトマトをつくる大会初参加の角崎功江さんは言います。

 「一人ぼっちのお母さんをなくすための女性部」と部長の高橋マス子さんは、準備した茨城県農民連に感謝しながら語っていました。

(新聞「農民」2005.8.8付)
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2005年8月

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