「農民」記事データベース20050815-696-09

いまこそ「憲法九条」輝かそう(2/3)

日本を「戦争をする国」にさせないために

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「9条パン」つくりました

東京・町田市のパン屋さん夫妻が訴え

 東京・町田市の小田急線玉川学園駅から四分ほど歩いたところに、三人入れば満員の小さなパン屋さんが目にとまります。その名も「リトル・トリー」。パンづくりを通して、憲法を守り、平和を訴えるユニークなパン屋さんです。

 店を営むのは、高木康弘さん(32)、みのりさん(33)夫婦。パン作りは康弘さん、レジなど店の管理はみのりさんが分担します。「リトル・トリー」の名前は、自然の大切さ、生命の尊さを描いた、アメリカ先住民族の物語からとりました。「小さな木を育てよう」という思いも込められています。

 アレルギー体質の康弘さんは学生時代、体を悪くしたことをきっかけに、パン屋でアルバイト。そこで働きながら、日本の食文化の伝統に合った玄米酵母によるパン作りを学びました。

 学生時代から平和・環境に関心を持っていたみのりさん。大学生のとき、アメリカ先住民族の村でしばらく暮らしたこともあります。沖縄の八重山地方を訪ね歩き、文化や自然、「命どぅ宝」の思想にも魅せられました。しかし、みのりさんでさえも、当初は憲法というと「堅苦しく、ダサい」印象を持っていました。

 憲法を身近に考えるようになったきっかけは、二年前に始まったイラク戦争と、それに続く自衛隊派兵です。時を同じくして、みのりさんは真慧(まさと)君を出産。母となり、子育てする自分を、戦火のなかで暮らしているイラクの母親たちの姿と重ね合わせました。

 「イラクのお母さんたちは、どんな思いで過ごしているのだろう」。いても立ってもいられなくなったみのりさん。「争いの絶えない世界で、この子が幸せに暮らしていけるのだろうか」

 そんな思いが募っていた矢先、市民団体「9LOVE」(クラブと読む)の若者たちからパン作りを依頼され、9の形をした九条パン、ジュゴンの形のジュゴンパンが誕生しました。

 クルミなど九つの種を埋め込む

 レーズン、クルミ、イチジクなど九つの種が埋め込まれた九条パン。インドの環境運動家、ヴァンダナ・シヴァさんが提唱するナブダーニャ(九つの種)運動にヒントを得ました。これは、遺伝子組み換えや生命特許で世界中の種を支配しようとする穀物メジャー企業から在来の植物を守ろうという運動です。

 ジュゴンパンは、紅芋の入ったあんパン。沖縄・普天間飛行場の移設候補地・辺野古の美(ちゅ)ら海を守りたいという願いが込められています。

 国産の小麦粉にこだわって

 リトル・トリーのパンは「外国産は残留農薬が心配。小麦の自給率が一〇%前後と低い現状を変え、食料自給率を上げたい」と国産小麦で作ります。「パンという媒介を通して、自然の営みにある命と、農産物の生産者、パン職人の私たち、召し上がるお客様とが協力し、つながっていく」。そんな店作りを目指します。

 「九条・まちだ」の呼びかけ人にも名を連ねる、みのりさん。「九条を衣食住に取り入れた表現をする」先頭に立ちます。

 「私たちにできることは、パンを作ることで、平和を作り、子どもの未来を作ること」。パンの包装ラベルにはしっかりと「九世代先の子どもたちのために今できること」と記されています。


こちらは「九条もち」

広島・尾道市の源田さん

 広島県尾道市に住む源田敏雄さんから「九条もち」が届きました。(写真〈写真はありません〉)平和憲法を守る世論を大きくするために、なにかできないかと考えた源田さん。創意工夫を重ねてできたのが、この「九条もち」です。「九条もちを腹に収めてがんばって」と願って作りました。

 「もち続けよう 憲法九条」と呼びかける九条もち。“もち”と“持ち”をかけて、九条を守りたいと、みなさんに訴えているそうです。

 問い合わせは、みつぎフーズ
 電話0848(76)0021まで。

(新聞「農民」2005.8.15付)
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2005年8月

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