「農民」記事データベース20050815-696-10

いまこそ「憲法九条」輝かそう(3/3)

日本を「戦争をする国」にさせないために

関連/いまこそ「憲法九条」輝かそう(1/3)
  /              (2/3)
  /              (3/3)


火傷病

アメリカの報復関税恐れ検疫撤廃急ぐ日本政府

 WTO(世界貿易機関)の紛争解決機関は六月、日米間で争われていた火傷病の検疫措置で、アメリカの主張を認める決定を下し、日本は二度目の敗訴を喫しました。

この決定は六年前にアメリカが日本に「緩和」を求めた内容と同じものです。

 火傷病は、リンゴ、ナシ、ビワなどの果樹やナナカマドなどバラ科の花木類を侵す最重要病害。

 昨年六月に一回目の敗訴を喫した日本は、アメリカ提案を一〇〇%受け入れ、検疫措置を大幅に緩和しました。二回目となった今回は、この大幅に緩和した検疫措置が敗訴の決定を受けたのです。

 この決定を受けて、日本に残された道は二つに一つ。検疫措置の撤廃か、アメリカの報復関税一億四千三百四十万ドル(約百五十五億円)を受け入れるか。検疫措置の撤廃は、「丸裸」につながります。アメリカは「成熟した病徴のないリンゴ果実」からは火傷病は感染しないと主張。火傷病が蔓延(まんえん)している園地から収穫されたリンゴでも、成熟度検査で合格すれば輸入はOKとなります。

 他方、報復関税額は、アメリカ産リンゴの対日輸出実績からみて過去最高額の十一倍という法外なもの。その算定根拠について農水省の中川坦消費・安全局長は、「つまびらかに承知していない」と言い、島村宜伸農水大臣は「われわれの納得のいく線で話を進めたい」と答弁していますが、ろくに検討した形跡はありません。政府は、「法外なぼったくり」を恐れて報復関税を回避し、検疫措置では「丸裸」になろうとしています。

 いま必要なことは、「丸裸」を拒否し「ぼったくり」を受けて立ち、粉砕する気構えです。その間に火傷病の研究体制を整備するなど、火傷病が侵入しないよう万全の対策を講ずることです。

(青森県農民連 須藤宏)


火傷病シンポジウム

恐るべき火傷病の実態と検疫措置をめぐる日米紛争

日 時 八月三十日(火)午後一時半〜四時半
場 所 青森県藤崎町文化センター(JR弘前駅からタクシーで約二十分)
報告者 宇野忠義氏(弘前大学教授)、藤田孝二氏(県りんご試験場県南果樹研究センター所長)、葛西弘光氏(県りんご果樹課長)、佐藤成良氏(農水省植物検疫所統括調査官)
主 催 食と農を守る青森の会 017(734)1021
    ※ナシ農家など、全国からの参加を呼びかけます。


稲刈りスタート 宮崎

 南九州では7月中旬から稲刈りが始まっています。産直米を生産する宮崎市の山内澄夫さんも7月末から2・1ヘクタールの田んぼの稲刈り。今年は天候不順で生育遅れが心配されましたが「まずまずの出来。平年並みの収穫になった」と胸をなでおろしていました。

〔前ページ〕<< □         

(新聞「農民」2005.8.15付)
ライン

2005年8月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2005, 農民運動全国連合会