「農民」記事データベース20050808-695-05

販路を広げ会員も増やそう

五島市農民組合が誕生

長 崎


 長崎県五島市で七月二十日、「五島市農民組合」が結成されました。

 五島市は、長崎港から高速船で約一時間半、五島列島の南西に位置する福江島を中心とした約六十の島々からなっています。東シナ海の荒波を受けた海岸線は美しく、豊かな水産物とともに水稲や畜産、葉タバコなど、第一次産業が基幹産業です。

 この日、市議を務める橋本憲治さん(46)の呼びかけに、三〜五ヘクタールの水田を耕作する九人の兼業農家が集まってくれました。私(村尻勝信常任委員)が、農民連とはどういう組織か、政府の農業つぶしに対してどう運動しているか説明し、準産直米のとりくみを提起。「価格も大事だが、流通が激変しているなかで確かな販路を持つことの重要性を理解してほしい」と訴え、共感を得ました。

 早場米を作付けしている七人が十トン出荷し、普通作米も十トン以上出そうと意思統一。八月二十日ころの出荷までに、検査や輸送の手段をつめていくことにしています。

 最後に、規約と会費を決め、会長に出口弘さん(69)、事務局長に橋本さんを選んで、簡単な祝賀会。「川や海を汚さず、美しいふるさとを守りたいという思いを、お米とともに伝えたい」と、アイガモ水稲会の会長も務める出口さん。橋本さんは「意外かもしれませんが、県内で三番目に大きい水田地帯。農業所得が減るなかで、販売ルートの拡大が最大の関心事。販路を広げながら会員を増やしていきたい」と抱負を語っていました。

 「五島市農民組合」の結成は、島の農業と農家の経営に希望をもたらす第一歩です。

(村尻勝信)

(新聞「農民」2005.8.8付)
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2005年8月

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