「農民」記事データベース20050801-694-12

この人

許せない 憲法9条改悪

陸上自衛隊矢臼別演習場内で40年以上土地を守りたたかう
川瀬 氾二(はんじ)さん(79)


 日本一の広さで有名な北海道の陸上自衛隊矢臼別演習場。大阪市の大きさに匹敵する一万七千ヘクタールもあります。その真ん中にたった一人で住んでいます。

 入植したのは五十三年前の一九五二年、二十六歳の時でした。一九六二年に演習場建設のため、土地を手離すよう通知されました。それからずっとたたかい続けて、土地を守っています。

 「私はただ自分の土地に住み続けたかったさ」。五十年以上奮闘してきた、その思いは謙虚です。「憲法九条を変えようなんて許せない。もともと自衛隊は違憲。そこを正さなきゃいけない」と淡々と語ります。

 川瀬さんのたたかいは、反戦運動、平和のシンボルとして全国に広まり、毎年多くの人々が訪れます。「今年も『平和盆おどり』をここで開く。毎回千人を超す人たちが全国から集まってくるさ」と言います。

 現在、敷地内に「矢臼別ホテル」のほかに新たな宿泊施設を建設中。遠方から来る訪問者を少しでもあたたかく迎えようと気を配ります。

 ずっと連れ添ってきた妻の普美子さんが亡くなり、娘さんは仕事の関係で土地を離れて暮らしています。「これからも新しい挑戦をしていく。まだまだ死ねんさ」。とても明るく元気で活力に満ちた口ぶりで話してくれました。

(新聞「農民」2005.8.1付)
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2005年8月

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